経営に役立つコラム

Column

2021.11.17

管理職が担っている部下育成の5大要素【その3・人を育てる技術④-「聴く」技術】

すでに何度も強調しておりますが、管理者が育てなければならない部下は「自ら考え行動できる人財」、言葉を換えれば「自律した人財」です。この重大な役割をぜひ脳裏に焼き付けていただきたいと思います。

育成すべきは、自ら考えて行動できる人財

なぜ、この役割をたびたび強調しているかといえば、本来あるべき対応とは真逆のことをしている管理者が多いからです。真逆の対応をしていれば、真逆の結果になります。要するに、いつまで経っても自律できない部下、自ら考えずに上司の指示を待つ部下、仕事の進行に詰まってしまうと上司や先輩の指示・アドバイスに頼る部下……こういう部下ばかりの組織になってしまいます。

当然、その上司が担っている最大の責任、部門目標を達成できないことになります。マーケット縮小の時代は、預かった部下を自律人財に育てなければ企業成長は不可能なのです。

上司から答えを言ってはいけない!

本来あるべき育て方と真逆のことをする上司とは、具体的にどういう対応をするのでしょうか。概ね次の3つのタイプに絞られます。

 ●受け身の部下を育ててしまう管理者の特徴
  ① いきなり答えを言う
  ② 上から目線で「こうだろ!」と答えを押しつける
  ③ かなり細かい指示出しをする

毎日、こういう対応をされる部下のほうはどういう気持ちになっていくかといえば、日々仕事が面白くないし、モチベーションは下がりっ放しになってしまうのです。簡単にいえば、嫌気が差し、早々と転職を考え始めてしまうでしょう。「自律人財」どころかひたすら受け身の社員を輩出し続け、同時に離職率をどんどん上げることになってしまいます。

預かった部門をこういう状態にしてしまう管理者には、共通する面があります。実務が優秀であり、プレイヤーとして高く評価されている、もしくは評価されていたという側面です。本人も自信満々で、機会があるたびに自身の実績や実務能力の高さを自慢します。言いたくて仕方がないものだから、未熟な部下を見ると自慢しつつ上から目線の教え方をすることになります。

要は、本気で育てようと考えていない、もしくは育て方を一度も勉強したことがない管理者なのです。これでは、厳しいマーケット縮小時代を勝ち抜く会社の力には到底なりえません。そこで先ほど(受け身の部下を育ててしまう管理者の特徴)とは真逆の基本スタンスを示しましょう。

●管理者として貫くべき基本スタンス
  ① 答えを言わない
  ② 徹底的に相手(育てるべき部下)に気づかせる・考えさせる
  ③ 徹底的に振り返りをする、させる

この3つのスタンスに加えてもう一つ、必須のスタンスを加えておきたいと思います。「マネジメントの具体的な知識」です。プレイヤーとして頑張り、素晴らしい実績をあげた自身の体験だけでは到底「自律人財」を育てることはできません。できないどころか、真逆の部下を育てることになってしまうのです。

「知る」ために重要なアプローチ「聴く」

さて、今回の主題は「部下育成の6つのアプローチ」(①知る→②聴く→③観る→④認める・ほめる→⑤伝える・考えさせる→⑥任せる)のうち、2番目の「②聴く」でした。前置きが長いと思うかもしれませんが、すべて前置きではなく「聴く」というアプローチの本論に入る大事な内容なのです。

注意してほしいのは単に「聞く」のではなく、積極的に「聴く」という姿勢が重要です。「聴く」は、身を入れて聴く、積極的な姿勢で聴く、深く聴く、問題意識を持ち、高い関心を持って聴く……といった意味が含まれています。相手が言っていることを単に「聞く」のではなく、関心を持って積極的な姿勢で「聴く」ことが重要なのです。この漢字の違いをよく頭に入れてほしいと思います。

しかし、実際には「聴く」のではなく、ただ単に「聞いている」だけの場合が多いのが実態ではないでしょうか。しかも、聞いているふりをして大して聞いていない上司も少なからずいます。なかには、部下が一所懸命に話している途中で「わかった、わかった。君の意見はもういい。大事なことは……」と遮って自分の言いたいことをしゃべり出す上司も少なからずいます。

こうした姿勢が部下のやる気を削ぎ、心の中では「早くこの人の話、終わらないかな」という気持ちを芽生えさせてしまいます。上司のほうは一所懸命に「教えてあげたい。私の経験を伝えてあげたい」と良心的な気持ちで話す方に転じてしまうのかもしれませんが、当の相手本人は「なんだ。また自慢か……」くらいにしか思っていないはずです。

部下の話を聴くときの大事なポイント

はっきり言って、こういう時の部下は上司の長い話を聞いていないケースのほうが多いはずです。上司が一所懸命に話せば話すほど、気持ちは離れていきます。ちなみに、職場以外も含めて、人は10歳以上年下の相手には多くのことを話そうとしてしまいがちです。要は、年下には「教えてあげたい」という気持ちに自然になってしまうのでしょう。したがって上司は、意識して「聴く」という姿勢を貫いてほしいと思います。

部下の話を聴くときのポイントを3項目示しておきましょう。

① 部下の話をまずは受け入れる【否定してはいけない】
② 部下の考えを聴き出す【質問する】
③ 自らは話さずまずは黙って聴く【聴くに徹する】

最後にもう一つ大事なことを付け加えておきます。部下の話を聴くときの態度や表情は、相手の気持ちを大きく左右します。半身の姿勢で聴くのはご法度です。部下の気持ちを必ず傷つけます。部下は一所懸命ですから、上司がどういう気持ちで自分の話を聴こう(聞こう)としているのか、敏感に察知します。

マネジメントを勉強すれば、自らの態度や表情がいかに大切かわかります。

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近藤浩三

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G.S.ブレインズグループ代表 税理士

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