経営に役立つコラム

Column

2021.08.24

管理職が担っている部下育成の5大要素【その3・人を育てる技術】

 今回は、[部下育成の五大要素]の一つ、人を育てる技術について述べていきます。念のために[5大要素]とは何かを確認しておきましょう。次の通りです。
① ルールを守らせる
② 実務の「型」をチェックし、実行管理(PDCA)をする
③ 人を育てる技術
④ 人を動かす技術
⑤ 技術を支える人間力

管理職が担っている部下育成の5大要素【その2・型】

前回は、5大要素の一番目〈ルールを守りきらせる〉について説明しました。人々が社会の中で活動するためには「ルールを守る」ことが大前提になります。ルールを守らない人は、社会活動・経済活動に参画できません。つまり、ビジネスパーソンとして生きていくことはできません。…

重要な役割を担っている自覚を

前回の「型」と前々回の「ルール」は、部下が具体的な戦力になるための基礎的なトレーニングです。‟基礎的な„と言ったのは、ルールと型を教えただけでは会社の実戦力には到底なり得ず、次の段階になって初めて実戦に向かうだけの力を徐々に身につけていくことになります。

プロ野球でいえば、まずは二軍で実戦力を身につけ、二軍のコーチが「もう十分に戦力になる」と判断して、一軍に送り込むことになります。会社の場合は、直属上司が「もう実務に携わってもいいだろう」と判断して会社の業績に寄与する仕事を与えることになります。

会社の場合はプロ野球と違って、社員としての基礎である「ルール」と「型」を教えるのが直属上司ならば(「ルール」は別途行う新入社員教育で教えるケースもある。型はどの会社でも直属上司が教える)、実際の仕事を教えるのも同じ直属上司というのが普通です。ということは、新人が社員として伸びるか伸びないかは、直属上司の管理職次第ということになります。したがって、新人を預かる管理職は会社の行く末と新人個人にかかわる人生の行く末の両方について非常に重要な役割を担っていることをまずは自覚しなければなりません。

管理職が学んで身につける育成の技術

これほどの重要な役割を担っているにも関わらず、多くの中小企業において部下育成を学んでいない管理職が多いのです。では、学ばない管理職は何を頼りに部下育成をしているかといえば、経験と感情ではないでしょうか。

経験とそのときの自らの感情。これこそが部下が育たない最大のネックなのです。もはや経験だけで上司の役割を担える時代ではありません。また、感情で部下を指導し続ければ、いつかはパワハラなどの訴えを起こされることにもなりかねません。

また、今日のように変化の激しい時代に「経験」だけで部下育成ができると思っているのは、あまりにも勉強不足と言わざるを得ません。たとえば、「DX」という用語を聞いて「なにそれ?」と言っている年配諸氏が少なくないのですが、上司がこれでは部下育成どころではありません。部下にバカにされてしまいます。

部下をどう育てていくか、どういう社員に育ってもらいたいかというビジョンを持っていただきたいと思います。営業部門も生産部門も事務部門も、皆同じです。もはや会社の机でハンコを押しているだけの管理職はいません。管理職の勉強すべき範囲はどんどん増えていく一方です。勉強しなければ、学ばなければ、今日の管理職は務まりません。これは肝に銘じておくべき大切なことでしょう。そういう意味では、「人を育てる技術」は格好の勉強対象です。私があえて「技術」という言葉を使ったのは、技術は学べば必ず身につくものであり、学べば学ぶほど良い結果が出てくるものだからです。

たとえば、テレワークにおけるリモートコミュニケーションなどは格好の勉強対象といえます。リモートのやり方ではなく、どうしたらコミュニケーションが効果的にできるかという点など、学ぶべき対象が多いのです。では、部下を育てる役割をしっかり果たすには、何をどう勉強していけばよいのでしょうか。

部下育成の技術・6つのアプローチ(出口は「自律人財の育成」)

私たちは、「人を育てる技術」には6つのアプローチがあると考えています。

①知る

一人ひとりの部下についてよく知ることが第一歩です。管理職自身の思い込みや決めつけはご法度です。「どうせ、今の若い奴は……」と安易に決めつけることは最悪です。コミュニケーションが断絶し、部下は本気で上司の話を聞こうとしないでしょう。では、どのように部下のことを知り、理解すればよいのでしょうか。

②聴く

勝手な推測がダメなら部下との一対一のコミュニケーションの中で「聴き」そして理解していくしかありません。大切なのは、「聞く」だけではなく、積極的に「聴く」ことですから、ひたすら聞いている態度とは180度異なります。ひたすら聴くだけというのも相手の気持ちは閉ざされていきます。相づちを打ったり、念を押したり、時には質問をしたり……要は、アクティブに「聴く」のです。もちろん、演技はダメです。一対一でコミュニケーションしているときは、お互いに素直な気持ちにならなければすぐに関係は崩れてしまいます。また、上司が自分の経験など何らかの答えを持っていても、口にしないことが大切です。

③観る

単に何気なく見ているのではなく何らかの目的をもって観察することです。たとえば、普段その部下が頑張っていること、努力していることについて期待をもって見つめる、といったことです。日報などを利用してレスポンスを頻繁に行うことも効果的です。

④認める・ほめる

認める・ほめるためには当然、その部下を知る・観ることが必須です、結果を出すためのプロセスを認め(褒めることとは違います)、励まし、サポートする。そして結果(成果)を出した時にほめることが必要です。

⑤伝える・考えさせる

何かを伝えるとき、すぐに「答えを言う」と自分で考えなくなり、また「細かい指示をする」と部下は育ちません。未だ伸びしろがたくさんある場合は、完全指示待ち人間に落ちてしまいがちです。答えを言わずに「考えさせる」こと、そして優秀な部下の場合は、細かすぎる指示は、「自分は馬鹿にされている」と思ってしまい、やる気を失う場合が少なくありません。

⑥任せる

そして任せるステップで「部下は自律します」任せるとは、仕事を預けることであり、そのために、任せる側が「任せるための準備」が必要となります。準備なしでは「丸投げ」となってしまいます。上記①~⑤までのステップを踏んで、部下を育て、お互いの信頼関係を構築していくことが必要となります。

これら6つのアプローチを実行するためには、絶対に必要なことがあります。「どういう社員・部下に育てたいのかの出口」をはっきりさせておくことです。一般的に共通する出口は、「自分の代わりをつくること」でしょう。自分の仕事を任せられる人財に育てられたら、それが部下育成の出口ということになります。
そして上記の①~⑥の具体的取り組み方は、技術として学ぶことができるのです。

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G.S.ブレインズグループ代表 税理士

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