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2025.05.20

土地・家屋の現所有者申告

土地・家屋の現所有者申告
遺産分割がまとまらないうちに、不動産に関する固定資産税の納付書が相続人のもとに届く。こうした状況に直面し、何から手をつければいいのか分からずに困ってしまうケースは少なくありません。
実は、固定資産税は「1月1日時点の所有者」に対して課税されるため、相続登記が済んでいない段階でも相続人に納税義務が生じます。そこで重要になるのが「現所有者申告書」の提出。自治体ごとに提出期限や様式が異なり、添付書類にもバラつきがあります。さらに、遺産分割前の納税では代表相続人が一時的に立て替え、その後に精算するのが一般的。
本コラムでは、そうした現場の実務を踏まえ、申告の必要性や流れを丁寧に押さえています。

遺産分割協議が終わらないうちに役所から固定資産税の案内が届くことがあります。これは土地や家屋を相続して新たに固定資産税を納付する人を役所に届け出るもので土地・家屋の現所有者申告と呼ばれます。

固定資産税の仕組み

固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産所有者に課される地方税です。市町村(東京23区は東京都、以下同)は不動産登記簿等に記載された土地・家屋の所有者に毎年5月頃、納税通知書を送付します。

固定資産税の評価額は地方税法に定める固定資産評価基準により、市町村が決定します。3年に一度、評価替えが行われ、直近では令和6年度に改定されています。

相続で納税義務も承継される

相続人は被相続人の土地・家屋取得に伴い、固定資産税の納付義務も承継します。市町村が現所有者申告の手続を求めるとき、現所有者は遺言や遺産分割協議で土地・建物を取得した者だけでなく、遺産分割協議前の法定相続人も該当します。

民法では相続があると、法律で定められた順番に相続人が決まり、法定相続分により財産・債務を承継します。したがって遺産分割前は相続人全員が現所有者となって固定資産税の納付義務を負うことになります。そして市町村は相続人の中から代表者を決めて、その者に納付してもらうこととしています。

現所有者申告書の提出期限は相続開始後3月とされており、具体的には市町村ごとの条例で決められています。届出書の様式も市町村ごとに定められており、ホームページに記載例が掲載されています。

現所有者申告書の添付書類には、相続人全員の戸籍謄本や住民票の提出を求める市町村や本人確認票(マイナンバーカード、運転免許証など)の提示だけですむ市町村もあります。

相続人代表者が固定資産税を一度納付する

遺産分割協議前の固定資産税の納税義務は相続人全員にありますが、実務上は相続人代表者が一度納付し、後に相続人の間で各自の持分で精算します。土地・家屋の取得者の相続登記が行われると、以降は新しい所有者に納税通知書が送付され、共有の場合は引き続き代表者に送付されます。

なお、相続した不動産を売却したり抵当権を設定したりするためには相続登記(所有権移転登記)が必要となりますので忘れないようにしましょう。

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