2021.12.17
管理職が担っている部下育成の5大要素【その3・人を育てる技術⑤-「観る」技術】
GSブレインズグループが発信している近藤浩三のコラムでは現在、管理者が担っている大事な役割「部下育成」について順を追って…
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Column
新年2022年が動き出しています。新しい年であるのに、人々の気持ちは晴れません。晴れない理由はいうまでもなくコロナ禍の状況です。昨年の秋には、「アフターコロナの新年を迎えられるのでは……」と期待した人は少なくないでしょう。
ところが、状況は一変しました。「オミクロン」なる感染力の強い変異株が登場し、急カーブで感染が広がっています。せっかく予約が入っていた旅行業者や、ようやく通常営業ができ始めた飲食業など、ホッとした気持ちがいっぺんに吹き飛んでしまいました。
しかし、この展開に私たちは嘆いているわけにはいきません。従前から私は強調していますが、中小企業にとってコロナ危機は経営の大きな転換期として受け止めるべきものだと捉えています。
このメルマガでも強調し続けていますが、私たちG.S.ブレインズグループはこのコロナ危機を「マーケット縮小の本番が少し早めにやってきたにすぎない」と捉えているのです。そして、こう前向きに受け止めています。
中小企業の抜本的な経営革新の機会を逃がしてはならない。コロナが運んできた禍をチャンスとして捉えるしか生き残る道はない。「ビフォーコロナ」回帰への期待はもはや切り捨てるべきだ。
コロナ禍が私たちを襲う前、「ビフォーコロナ」のときがどんな状況だったのか覚えていますか?中小企業は軒並み人手不足(私たちは「人材不足」と捉えています)に苦しんでいました。しかし、「人さえ集まってくれれば…」という期待があり、抜本的な経営革新の必要性までは視野に入っていなかったと思います。
今でもそういう考えから抜け出ることができない経営者は少なくないかもしれません。すなわち、私たちが声を大にして言い続けている「マーケット縮小時代」の声を受け止められない人たちです。
ちなみに、「コロナ禍」はもう一つ、企業にとってきわめて厳しい状況を運んできました。様々な商品の原材料が高騰するだけではなく、ガソリンや電気・水道など、事業を継続するためには必須のコストも軒並み高騰しています。
こうなると、前向きになれない経営者や管理者たちが抱き続ける「ビフォーコロナ」への期待感は水泡に帰してしまうのではないでしょうか。
要は、時代が大きく動いているのです。今までと同じやり方を続けるのは、生きる道を自ら放棄してしまうようなことになってしまいます。
経営者も管理者も覚悟を決めましょう。その一つは「ビフォーコロナ」への執着を切り捨てること、そのうえで今度こそ「マーケット縮小」への対応に本腰を入れ、具体的な策を考えて実行しようではありませんか。
さて、ここまでが新年の特別メッセージです。ここからメルマガ本欄の管理者問題に戻ることにしましょう。
本欄では現在、「管理職が担っている部下育成の5大要素」と題した連載を続けています。管理者の部下育成は、マーケット縮小時代を勝ち抜く必須のテーマです。念のために「部下育成の5大要素」を示しておきましょう。
① ルールを守り切らせる
② 実務の「型」をチェックし、実行管理(PDCA)をする
③ 人を育てる技術
④ 人を動かす技術
⑤ 技術を支える人間力
マーケット縮小時代を生き抜くには、管理者も若手社員も含めて社員のみんなで知恵を出しながら全体の労働生産性を上げ、確実に利益を出すという流れをつくり、定着させるしかないのです。
そのためには、かつてのように管理者の恣意的な指揮・運営によってメンバーを動かすようなやり方では、とても「労働生産性を上げる」という結果を創り出すことはできません。
では、どうしたらよいのでしょうか。社員一人ひとりが本気で知恵を出し、本気で議論し、本気で実行する。会社の中にこの流れを創り出し、根付かせることしか方法はないのです。
ではそうした企業文化を創り出し、定着させるには何が必要なのでしょうか。管理者を含む社員一人ひとりが「自律」し、上から命令されなくても、いちいち指導されなくても、高い生産性をもって商品・サービスをマーケットに提供し続けていくことです。
先ほどから私は「自律」という漢字を使っています。「自立」ではありません。「自律」です。「自立」とは、文字通り「自分の足で立つ」ことです。赤ん坊が2本足で立つ、親の手助けを借りずに立つ、親兄弟に頼らず自分の生活を自分の力を組み立てる……といった意味です。
企業に当て嵌めてみましょう。新入社員が教育期間を経て社員として独り立ちすることが「自立」です。しかし、一人の社員として独り立ちしても、自ら考え、自ら行動し、自ら会社の利益に寄与するようになっているかどうかが岐路です。
私たちが一貫して使っている「自律」はどういうものでしょうか。社員の場合は先に示した「部下育成の5大要素」のうち、①ルールを守り切る、②実務の「型」をチェックし、実行管理(PDCA)をすることができる社員です。管理者の場合は、加えて③人を育てる技術、④人を動かす技術、⑤技術を支える人間力の3つの要素を十分に備わっている人たちです。
マーケット縮小時代は、こうした「自律型社員・管理者」によって会社を運営していくしかないのです。
コロナ禍によって期せずしてテレワークが広がり、リモートコミュニケーションも遜色のない形で意思疎通ができるようになってきました。
「自律型社員の条件は半分くらい揃ったといえるでしょう。そこで経営者の方々に強調しておきたいのは、自社にとっての自律社員、自律管理者とはどういう条件を備えた人なのか、きちんと文書化し、できている人か、不足している人か、まったく望めない人か……等々を可視化できるようなツールを作っていただきたいのです。
もはや、これまでの中小企業にありがちな属人的な会社運営では、生き抜くことができません。会社として「自律型社員・管理者」の仕組みを築き、維持することが必須の時代になっているのです。
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