経営に役立つコラム

Column

2020.11.18

第3波のコロナ危機をどう受け止め、どう対応すべきか

今月のテーマについて、先月の末尾に、次回は「脱はんこ・ペーパーレス」について書くことをお伝えしましたが、今月に入ってから“それどころではない„と言いたくなるくらいに感染者が急増しています。「秋冬には3度目の大きな波が来る」と予測されていましたが、その通りになってきました。
そこでテーマを替えて「 With コロナ」を中小企業はどう捉え、どう対応していくべきかについて改めて考えることにします。

コロナ対策は徹底して行う

まず初めに強調したいことは、コロナ対策は業種業態に関わらず徹底して行うべきということです。「そのうち終息するだろう」と甘い考えで何も手を打たないというのは論外ですし、「業種的にうちは影響ない」と捉えてしまうのも甘い受け止めです。企業が活動すれば必ず人との接触が生まれますから、どの企業も「うちは関係ない」とは言えないのです。

第3波の感染経路は、これまでと違って‟夜の街„などではなく普通の職場や家庭内のケースが多くなってきたと伝えられています。皆さんの職場もいつクラスター(感染者集団)になるかわかりません。クラスターになったら、それこそ深刻な経営危機に陥ります。
職場の空気として「大丈夫」というムードがあるとしたら、今からでも全員が危機感を持ち、「 With コロナ」を真剣に受け止める職場ムードをつくっていただきたいと思います。

社員一人ひとりがマスクするとか手洗いや消毒を徹底する、あるいは職場の換気を怠りなく続ける、などのことは基本中の基本です。一人ひとりの机の間や会議室、応接室などにアクリル板を設けるといった対策は、多くの会社で行われています。等々、直ちにやるべきこと、やれることはたくさんあります。

もし「この会社、何もしていない」と思われたら、人が来なくなります。飲食店ばかりではなく、普通の会社でも訪問を避けるようになってしまうでしょう。端的にいえば、人が離れてしまうのです。
社員一人ひとりの受け止め方も、大きく変わります。たとえテレワークやデジタル・コミュニケーションを広げている会社であっても、オフィスに何の対策も講じていないとしたら「うちの会社は本気で対策していない」と社員は感じます。そして、離れていきます。「危険な職場だ」と感じると同時に、「うちの会社は私たち働いている社員のことを真剣に考えていないんだ」と思うことでしょう。

確かにそうです。リスクのある通勤経路を経て会社に来る社員のことを思えば、自ずと感染防止対策をしようという気持ちになるはずです。

今後、マーケットの縮小が加速度的に進み、生産年齢の働き手がどんどん少なくなっていく状況の中で「社員を守ろうとしない会社」の烙印を押されたら、深刻な人手不足に陥ること必定ですし、企業活動を続けることさえ困難になってしまうことでしょう。

経済活動を止めてはいけない

こうしたコロナ対策を徹底して行う一方で、企業としてやるべき経済活動は続けていかなければなりません。第1波のときの緊急事態宣言のように、あるいはヨーロッパで行われているロックダウンのように、国民みんなが巣ごもりして経済活動を止めてしまう事態は、もうできないと私は思っています。できないというより、止めてはいけないという思いを強く持っているのです。なぜなら、企業にも、働く人にも、多大な犠牲を強いることになるからです。

1波、2波の状況(倒産件数や失職する人の数)を見れば、もう止めるのは不可能と考えるのが普通でしょう。経済活動は止めない。そのために「 With コロナ」の対応策を徹底して行うというシンプルなロジックです。このロジックで強く生きてほしい、社員を大切に考えてほしいというのが、私たち成長支援グループにおけるスタッフ全員の願いであります。

念のために付け加えておきますが、飲食業など対面でお客様を迎える店舗系の業種にあっては、顧客は厳しい目でコロナ対策の様子をチェックしています。その徹底ぶりによって店を選ぶようになっています。間違っても「うちは常連がたくさんいるから」などと呑気な気持ちは持たないことです。

ちなみに、私たち成長支援グループがお手伝いしている店舗系の業種では、9月ぐらいから「単月ベースで対前年比売上がプラス」そして、「単月ベースで損益が黒字化」に転じている会社が多くなってきました。おそらくお手伝いしている会社の7割近くになるでしょう。いずれもコロナ対策を隅々まで徹底している会社です。「 With コロナ」の環境下で売上を伸ばし、利益を上げているのは、顧客を大切に考えて対策を徹底し、同時に社員も守っている会社に限られます。

カギを握るのは、やはり管理職

売上を伸ばしている中小企業にはもう一つ、絶対的な共通点があります。人間力に裏付けられた管理力で優位性を創り出していることです。

これは、私たちのグループが核にしている「成長の3要素経営」が土台にしているテーマですが、企業の優劣を決めるのは結局「人間力」なのです。ただし、私たちが言う「人間力」とは、個人の実務能力の高さのことではありません。

たとえばコロナ禍の中、国は実務のデジタル化へ向けて大きく舵を切ったことは本欄でもお伝えし、推奨してきました。しかし私たちは、デジタル化を推奨する一方で、「人間力」の大切を繰り返しアピールしています。はっきりいえば、中小企業が優位性を保ち、厳しい経営環境の中を勝ち抜いていくには、「人間力」をエネルギー源にするしかないと考えています。「 With コロナ」でデジタル・コミュニケーションの効果を確認できたとしても、デジタル化の担い手はあくまで社員です。デジタル化がどれだけ進んでも、「人間力」の重要さは少しも変わりません。

企業の活動は、人と人との関わり合いによって始まり、進んでいきます。私たちは、企業力とは人間力の集積によって創られると考えています。それは、一人ひとりの力の足し算ではありません。人と人との関り合いから生まれる相乗効果こそが勝つための原動力となるのです。

そうした相乗効果の多寡は、「管理職の人間力に裏付けられた管理力」によって決まります。実務やコミュニケーションがデジタル化されても、企業活動の根本は変わらないということを改めて認識していただきたいと切に願います。

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近藤浩三

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近藤浩三

G.S.ブレインズグループ代表 税理士

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