2026.06.26
中小企業経営者のための「未来会計」│「成長の3ステップ」による、ありたい姿への伴走支援
激変する市場環境のなかで、中小企業の経営陣は常に先行きへの不安を抱えながら舵取りを迫られています。 本記事…
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
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Column
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2026.03.06
「あと数%売上があれば目標達成できたのに」と感じることはありませんか? 利益の仕組みを正しく把握するには、…
ローカルベンチマークの財務分析は、以下の6つの指標で構成されています。
1.売上高増加率(収益性・成長性)
2.営業利益率(収益性・稼ぐ力)
3.労働生産性(生産性)
4.EBITDA有利子負債倍率(健全性・返済能力)
5.営業運転資本回転期間(効率性・資金繰り)
6.自己資本比率(安全性・リスク耐性)
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
〜会社が市場で成長しているか?〜
•計算式: (当期売上高 – 前期売上高) ÷ 前期売上高 × 100(%)
•意味: 前年度と比較して、売上高がどれくらい伸びたかを示す指標です。
売上高の増加は、自社のプロダクトやサービスが市場で支持され、需要を伸ばしている証拠です。 しかし、ここで注意すべきは「薄利多売による増収」になっていないかという点です。売上は伸びていても、値引きや無理な受注によって利益が削られていれば、会社は疲弊してしまいます。 「売上増加率」を見るときは、必ず次に解説する「営業利益率」とセットで評価し、“質の良い成長”ができているかを確認することが重要です。
〜本業でどれだけ効率よく利益を出せているか?〜
•計算式: 営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)
•意味: 売上高に対して、本業の営業活動によって得られた利益(営業利益)の割合を示します。
営業利益率は、企業の「本業における稼ぐ力(構造的な強さ)」を最もダイレクトに表す指標です。 売上原価や販売管理費を適切にコントロールできているか、他社にはない付加価値を乗せた価格設定ができているかが問われます。 もし営業利益率が低い場合は、原価・経費のかかりすぎ、価格競争への巻き込まれ、不採算商品の放置などが疑われます。単に売上を追うのではなく、利益率を高める「高付加価値化」へのシフトが必要です。
〜社員1人あたり、どれだけの価値を生み出しているか?〜
•計算式: 付加価値額 ÷ 従業員数 (※付加価値額 ≒ 営業利益 + 人件費 + 減価償却費)
•意味: 社員1人あたりが1年間で創出した「価値(粗利に近い概念)」の金額です。
人手不足や人件費の高騰、働き方改革が叫ばれる現代において、最重要視されている指標のひとつです。 どれだけ売上が大きくても、大量の人員を投入して力技で稼いでいるのであれば生産性が高いとは言えません。 ITツールやAIの導入による「業務効率化」、マニュアル化による「標準化」、そして高単価な事業へのシフトによって「少ない人数で大きな付加価値を生む仕組み」が作れているかを評価します。
〜今の稼ぎで、借入金を返済するのに何年かかるか?〜
•計算式: (有利子負債 – 現預金) ÷ (営業利益 + 減価償却費)
•意味: 借入金などの「有利子負債(実質額)」が、年間の「現金創出力(EBITDA)」の何倍あるか(=何年で完済できるか)を示します。
金融機関が融資判断を行う際、極めて重視する指標です。 従来の「月商倍率」などと異なり、「減価償却費(手元に残る現金)」を考慮した実際のキャッシュ創出力で返済能力を測るため、より現実的な資金繰り体力がわかります。 一般的に「10年以内」であれば健全と評価されます。15年〜20年を超えてくると追加の融資を受けることが難しくなります。借入削減と利益改善の両面からのアプローチが求められます。
〜「勘定合って銭足らず」になっていないか?〜
•計算式:{売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-仕入債務(買掛金+支払手形)}/(売上高/12) (ヶ月)
•意味:仕入れから代金回収までに、売上高の何カ月分の運転資金が必要かを測定する指標です。
どれだけ損益計算書(P/L)上で「黒字」になっていても、売掛金の回収が遅れていたり、売れない在庫を大量に抱えていたりすると、営業キャッシュフローは「マイナス」になります。これがいわゆる「黒字倒産」のメカニズムです。 売上債権については残高を少なくすることのほか、早期回収に努め、また仕入債務については支払猶予を長期化することが指標の改善につながります。棚卸資産に関しては適正在庫水準の確保のほか、不良在庫や長期滞留在庫がないよう努めてください。
〜不況や不測の事態に耐えられる「体力」はあるか?〜
•計算式: 純資産 ÷ 総資産 × 100(%)
•意味: 会社が保有する全資産のうち、返済する必要がない「自分の資金(自己資本)」がどれくらい占めているかを示します。
会社の中長期的な安全性・倒産リスクの低さを表します。 感染症の流行・原材料高騰・景気後退など突発的な環境の変化に直面したとき、自己資本比率が高い会社は「クッション(余裕)」があるため耐えることができます。 目安として35%以上あると望ましく、50%を超えると極めて健全と言えます。過去の利益の積み残し(内部留保)がこの数値を形作るため一朝一夕には改善しませんが、健全経営の最終ゴールとなる指標です。
ローカルベンチマークの財務6指標は、「組み合わせ」で見ることで真の課題が浮き彫りになります。
たとえば……
「需要はあるが、原価や販売コストが拡大して儲かっていない」状態。拡大路線を一旦ストップし、コスト構造の見直しが必要です。
「現場は忙しく働いているのに利益が出ない」状態。IT化による業務効率化や、提供価値に見合った価格引き上げ(値上げ)が急務です。
「黒字倒産の予兆」状態。売掛金の未回収や過剰在庫、支払い条件の悪化を今すぐ点検する必要があります。
このように数字同士を掛け合わせることで、どこに「病根」があるのかを特定できるのです。
今回はローカルベンチマークの「財務6指標」について解説しました。
しかしここで一番お伝えしたいのは、「財務の数字はあくまで『結果』にすぎない」ということです。
なぜ売上が増えたのか? なぜ労働生産性が低いのか? なぜ営業利益率が高いのか?
その「理由」はすべて財務以外の部分、すなわち「事業の強み」「顧客との関係」「組織・人材」という【非財務情報】の中にあります。
財務6指標で自社の「健康状態(現在地)」を把握したら、次は「なぜこの数字になっているのか?」を現場の活動(非財務)と結び付けて考察してみてください。
これこそが、ローカルベンチマークが目指す「持続的な企業価値向上」のロードマップです。
「自社の6指標を計算してみたい」「競合他社や業種平均と比較してみたい」という方は、ぜひお気軽にG.S.ブレインズ税理士法人「財務コンサルティング部」までご相談ください。
※参考:ローカルベンチマーク(ロカベン)シート│経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/sheet.html
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