店舗運営で大切なことの一つはスタッフ育成です。ただ中々育成がうまくいかないことがあると思います。効果的に育成するためにどうしたら良いのかを考えていきましょう。

店舗運営をするうえで土台となるのは人です。人が定着し、人が成長することで店舗のレベルが上がっていきます。
ところが難しいのが育成です。なかなか育たないとか、長く在籍しているのにできないことが多すぎるというお話を聞きます。その時にお聞きするのが、何をしたらよいのかが言葉になっているか（＝見える化）されているかです。聞くとまず見える化＝言語化されていません。教える側の頭の中にあるだけです。教える人が自分一人なら良いのですが、ほとんどの店舗は教える側が複数いると思います。そうすると教える側が誰に何を教えたらよいのかが一致していないのです。効果的に育成するためには「見える化」することです。

見える化されていないとどんなことが起こるでしょうか？先ほど見たように教える側が一致しません。何が一致しないかというと、一つは教える相手が今何をできて何ができていないかです。相手の現在の状態を正しく捉えていないのです。すると教え忘れや漏れ、または同じことを複数回教えるということが起こるのです。

長く在籍しているスタッフでできないことがある時は、この現在の状態を正しく捉えていないからです。だから後になって「こんなこともできないのか」ということが起こるのです。また、同じことを教えるのは無駄です。教わる方は「それはこの前教わりました」と中々言えずに、同じことを何度も教わるようなことが起きてしまうのです。

教わる側が教える相手の現在の状態を正しく捉えていないと引継ぎもできません。今どうなっていて次に何を教えれば良いのか、何に注意すれば良いのかが引き継がれないのです。そうすると育成も時間が掛かってしまうのです。

見える化されていないと、教える相手にいつまでにどういう状態になってもらいたいのか＝出口がわからないです。出口がわからないから、できるようになるまで時間が掛かるのです。いつまでにどういう状態＝何ができるようになってもらいたいのかが明確になるだけで育成のスピードは変わるのです。

反対にいつまでに何ができればよいのかを見える化することで教え忘れ、抜け・漏れが無くなります。長く在籍していればそれだけできることが増えます。また同じことを何度も教えるといった無駄がなくなり、トレーニングが効率的効果的にできるのです。また、教わる相手が自分が何ができればよいのかがわかるので安心するのです。不安がなくなり安心すると、教えたことを理解実践するスピードが上がるのです。

見える化する内容の一つは「一連の業務」です。何ができればよいのかを一覧にします。それができたらチェックするようにします。

また、「ポジション」を見える化するのも一つです。誰がどこのポジションができて、どこができていないかがわかるだけでも変わるのです。

仕込や調理の場合には「仕込むもの」や「料理名」を上げていくとよいでしょう。何が仕込めて何が仕込めないのか、どの料理が作れてどの料理が作れないかが見えるだけでトレーニングスピードが大きく変わるのです。

見える化はパソコン等できれいな表にしなくても大丈夫です。きれいにすることが目的ではありません。見える化して効果的な育成ができることです。きれいな表にしなくても手書きでも構わないのです。きれいな表にするのに時間が掛かったり、先送りしてしまったりするようであれば手書きですぐに始めた方がよいのです。手書きの表を次の教える人に渡すだけで引継ぎになるのです。また引き継ぐ際に教える際の注意点や次に教えてもらいたいことを書くだけでもトレーニングがより効果的になります。

見える化を難しく考えずにまためんどくさがらずに行ってみてください。見える化することでトレーニング効果が上がることを実感できるでしょう。

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