2021.04.20
管理職の優劣がアフターコロナの明暗を決する
専門家が「第4波に入った」と明言しているように、コロナ危機の状況はますます悪化しているように見えます。 …
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
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Column
2021.05.25
今年1月の本欄で某中小企業社長の気づきを紹介しました。
「コロナ危機の中でよくわかったことがある。この危機の中で能動的に動く管理職と受け身で消極的な言動が目立つ管理職がはっきり分かれた。前者の管理職でなければこの危機を乗り越えられないし、アフターコロナ以降も勝ち抜いていけない」と。
アフターコロナの経営環境を厳しく捉えている中小企業経営者の率直な思いです。
私もこの社長さんと同じ見方をしています。アフターコロナは、決して安息の地ではありません。なぜなら、私たちが再三再四指摘している「マーケット縮小の時代」が本格的に進んでいくからです。
具体的には、業種業態を問わずお客様が加速度的に減っていきます。労働人口も減り、必要な労働力を確保できなくなります。今までと同じような感覚、あるいは昔のマーケット拡大時代の到来をひたすら待っているような企業は早晩、淘汰されていくでしょう。
勝ち抜けるのは、お客様から選ばれる商品・サービスを有している企業、および若手人材から選ばれる企業だけです。お客様と若手人材とも、企業を選ぶ目が厳しくなります。いや、すでに厳しい目で選んでいます。この厳しい目の広がりは、業種業態によってはコロナ危機を超える経営危機をもたらすかもしれません。
では、アフターコロナの経営環境を勝ち抜くには何が必要か、お客様と若手人材から選ばれるには何が必要か、私たち成長支援グループは10数年前から対策を模索し、一定の答えを構築してきました。それが「成長の三要素経営」と題した独自の経営理論です。
三要素とは、①組織づくり、②ビジネスモデル、③マーケティングのことです。この三要素をもって、減少していくお客様と若手人材に選ばれる企業であり続けること、さらにはこの三要素の状況をリアルタイムに数値で確認していく。これが「三要素経営」の骨格です。私たちが構築したこの経営理論については、機会を見ながらやがて詳しく説明していきます。
先月から触れている管理職の育成は、三要素のうちの①組織づくりの中心的なテーマです。
当たり前のことですが、組織づくりは社員が継続的に勤務を続けていくことが前提となります。年がら年中、人が辞めていく組織では前向きなことは何もできません。したがって、三要素経営も成り立ちません。ところが中小企業の現実は残念ながら社員の定着率が悪く、三要素経営が成り立たないケースのほうが多いのです。
定着率が悪い理由は何でしょうか。何で若手の人材がどんどん辞めていくのでしょうか。次のような理由があげられます。
「もうこの会社で学ぶものがない」
「この会社にずっといても、自分の将来像が描ける時は来ないのでは」
「あの上司と毎日顔を合わせるのは苦痛でしかない」
「昇給昇進の基準がわからない。社長が決めている?」
一般的に多い理由は、こんなところでしょう。総じていえば、生活レベルも含めて自分の将来が見えない(だから結婚もできない)という点に絞られるのではないでしょうか。
要は、若手人材に選ばれない会社になっているのです。では、選ばれる会社になるには何が必要でしょうか。具体的に何をどう変えていかなければならないのでしょうか。
まず絶対に必要といえるのが見える化された人事評価制度です。一般に、評価制度を取り入れている中小企業はきわめて少ないのが実態です。規模が小さくなればなるほど導入率は下がっていきます。
しかし、評価制度は規模の大小を問わず必要です。一人でも二人でも、新卒でも中途採用でも、入社時に制度を説明し、どうしたら給料が上がるのか、何をどうがんばれば部下のいる管理職になれるのかといったことは、社員の最大の関心事です。始めにそれを端折ってしまえば長く勤める若手人材にはなりません。
選ばれる会社、あるいは定着する会社になるための必須要件の二番目は、やはり上司の存在です。上司に挨拶するのも辛い、顔を合わせてコミュニケーションをとるのはもっと嫌だ、そばにいるだけで毎日が苦痛・・・・・・といった不平不満に満ちた毎日を送っているとしたら、長く社員として勤めるのは100パーセント無理です。そして、会社での不平不満はプライベートな友人に必ず話します。わずかな範囲かもしれませんが、会社の悪口を吹聴されるようでは「選ばれる会社」になるはずがありません。
ここは、管理職の基本を守らなければなりません。管理職の姿勢で不可欠な要件はいくつかありますが、最も大事なことは、仕事の楽しさや喜びを実感させることです。そして、会社が目指している将来像を具体的に話す機会を持つこと、一人一人が自分の将来像を描けること、この2点が何よりも重要です。
最悪なのは、上司が会社の不満を平気で部下に言ってしまう、自分の上司や役員・社長の悪口を口にするといった光景です。酒席になるとこのパターンが多くなります。もっとも、コロナ危機の渦中にある現在はできませんが・・・。
いずれにせよ、会社の不平不満を自慢そうに部下に話すというのは、最悪の部下対応です。こういう上司から指示された仕事は、やる気を持ってできなくなります。少なくとも、自分の将来像をその会社では描けなくなります。つまりは、早々と辞めてしまうでしょう。「若手人材に選ばれる会社」とはほど遠い結果になるしかありません。
管理職には若手の人材を社会人として一流に育てる役割があります。このことを忘れてしまうようでは、あるいはわかっていないようでは、管理職として失格です。
このことを前提として、私たち成長支援グループでは、管理職による部下育成の大事なテーマを5つにまとめています。
①ルール
②実務の「型」と実行管理
③人を育てる技術
④人を動かす技術
⑤技術を支える人間力
これだけでは何のことだかわからないと思うので、次回に詳しく解説します。
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