2022.10.24
法人の税務調査はどこまで見るのか?
法人設立後、初めて税務調査官から電話があるとドキドキしますよね。 どこまで見られるのだろうか?…
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
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Column
2022.12.14
個人の税務調査と言えば、すぐ頭に浮かぶのは所得税の税務調査だと思います。この所得税の確定申告に対する税務調査だけではなく、個人に対する税金は、贈与税、相続税そして所得税の範疇に入りますが、譲渡所得税、山林所得に係る所得税などがあります。
これらの税目に関する税務調査は、担当する部署がそれぞれ異なっています。税務署における個人課税部門が所得税の税務調査を担当し、資産課税部門が贈与税、相続税、譲渡所得税及び山林所得に係る所得税の税務調査を担当しています。
また、税務調査は税務署だけが行っている訳ではありません。国税局においても課税部の中にある資料調査課(国税内部では略して「リョウチョウ:料調」と呼ばれている。)が税務調査の部署として存在しています。
余談ですが、この料調が突然、自宅や事務所にやって来た場合には、相当の覚悟が必要になってくるかもしれません。彼らは、確度の高い資料情報を携えてやってくるので、税務調査もピンポイントに狙った対象に絞って遂行します。ましてや、査察部が来た場合には、国税犯則法に基づく捜索令状を持ってきますので、大変なことになる可能性が高いと思います。
話を税務署の個人課税部門の税務調査に戻しましょう。個人の所得税の税務調査は、通常の場合、調査官(または、上席調査官)が一人で事業所、工場もしくは自宅にやってきます。
調査官は、税務署内で過去の申告内容や署内にある資料情報及び同業種における否認事項(税務調査において修正もしくは更正した事項)を参考に準備調査を行います。この準備調査において、税務調査のターゲットとなる調査項目を絞り込む訳です。
いざ、税務調査に着手すると、調査官は、家族構成やあなたの趣味嗜好、あなたが行う事業の内容、日々記帳している売上や仕入、経費に係る帳簿類、請求書類、伝票・領収書類及び現金出納帳、銀行取引日記帳などの保存のやり方や記帳のやり方を聞いてきます。
特に記帳の基となる資料から総勘定元帳に至るまでの会計処理の流れは入念に聴取されます。これらを税務署では概況聴取といいます。
概況聴取が終わりますと、帳簿、請求書・領収書類のチェックに加えて、事務所内、工場内、店舗内などを見始めます。これは、何のために行うかといいますと、概況聴取で把握した事実と実際に齟齬(そご)が無いか、何か調査の参考となる資料がないかを探すためです。実際に税務署に申告していない取引銀行の卓上カレンダーが端緒となり簿外預金を把握された実例もあります。
事務所等を見て回るついでに金庫内の確認や役員・従業員の机の中を確認する調査官もいます。また、パソコンに保存された書類やデータ及び個人が使用する手帳などを見る調査官もいます。これらは、必ず見るというものでもありませんが、何かと理由を付けて中を見たがるのも事実です。
税務調査は任意調査ですので、拒否することも可能ですが、なぜ拒否するのか、見せられない理由でもあるのかと調査官は責め立ててきます。そのような場合、逆に見るべき理由をしっかりと調査官から引き出すことが重要です。調査官が説明したその理由が税務調査の範疇として正当と判断できるような理由がある場合(ただ単に中を確認したいではなく、しかるべき理由がある場合)には、調査官の要求に応ずる必要があると思います。
また、調査官は、取引の相手方で収集された「資料せん」(取引の内容や取引年月日、取引金額、決済の状況などが記載された国税当局の内部資料)というものや「支払調書」(法律で定められた支払内容、取引年月日、取引金額等を記載した法定調書)を携行していますので、これら資料と帳簿に記載された内容の突き合わせを丹念に実施します。
取引先などで収集された資料なので、万が一、内容が一致しない場合には、その解明のため調査官は必至となること間違いなしです。
事業所等での調査が終わり、調査官の疑問点や問題点が整理されると、調査官は疑問点の解明に動き始めます。すなわち、取引先への反面調査や資金の使途等の解明のための銀行調査を実行します。
調査官に与えられた調査日数は、せいぜい4~5日間程度(準備調査、実地調査及び事後での内部決裁書類の作成を含んだ日数)が一般的(税務署の一般調査の場合。特別調査部門や局の料調では長期間の調査もあります。)ですので、反面調査や銀行調査に日数を割くのは、不正計算や多額の増差所得が期待できない限り、なかなか実行されないのが実情です。
税務調査は調査官に疑問点を生じさせないよう、きちんとした説明を行うことで回避できるものと私は考えます。
法人ではなく、個人で事業をやっていると規模が小さいから税務調査にやってこないという都市伝説を信じておられる方もいるかと思いますが、個人で事業をやっている限り、税務調査は必ずあると思ったほうがいいと思います。
税務調査において、調査官が事実を誤認している場合があります。もし、事実と違うことを調査官から主張された場合には、きちんとその旨を伝えて、説明を詳細に行い、誤解を解く必要があります。
調査官の思い込みに対して反論を行わないと、いつの間にか課税されていたなんてことになってしまいますよ。
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