経営に役立つコラム

Column

2023.03.24

銀行が決算書を見る際のポイント!会社格付けの基準について②

前回は銀行が融資判断をする際に用いる「格付け」について、数値分析に照準を絞りご案内いたしました。

今回は「成長性」「返済能力」の格付け分析項目について知っていただき、自社の決算書にあてはめ現状分析することで、会社の目指すべき数値を検討していただければ幸いです。

【前回】銀行が決算書を見る際のポイント!会社格付けの基準について①

銀行が決算書を見る際のポイント!会社格付けの基準について①
コロナ融資の据え置き期間が終わり、融資返済が始まってきている方もいらっしゃるかと思います。今回は金融機関が融資先の融資判断をする際に用いる「格付け」について、数値分析に照準を絞りご案内いたします。
格付け分析項目について知っていただき、自社の決算書にあてはめ現状分析することで、今後自社が取るべき対策をご検討いただく機会となりますと幸いです。

評価分類について

前回ご案内しましたが、格付けの評価分類は「安全性(健全性)」、「収益性」、「成長性」、「返済能力」と大きく4つに分類されます。

今回は「成長性」、「返済能力」項目についてお伝えさせていただきます。

①成長性

(1)経常利益増加率

(当期経常利益-前期経常利益)/前期経常利益

前期から経常利益がどれだけ成長したかを見る指標となります。5%以上から格付け点数が付されます。5%で1点、15%以上で3点、30%で5点となります。この指標を見ても明らかですが、銀行は融資先の利益の成長を重要視します。少しでも前年よりも増益していくことがやはり重要です。

②返済能力

(1)債務償還年数

有利子負債/償却前営業利益

上記計算は、自社の借入金の残高を毎期の償却前営業利益で除すことにより、借入を何年で返せるか、という式となります。基準としては原則的に今借りている借入金の返済期間を下回ることが重要です。
例えば、5年で返済する借入は、上記算式で5年を下回る必要があるということです。ただし、コロナにより借入額が大幅に増えている方が多いかと思いますので、その場合には借り換えを視野に入れながら徐々にこの年数を縮めていくことが重要となります。

点数としては、1年以内で20点満点、3年以内で17点、5年以内で14点、7年以内で11点、となり20年を超えると1点、マイナス(利益がマイナス)の場合には0点評価となります。

格付けは金融機関が融資先を判断する際の重要項目

今回は、格付け評価項目の成長性と返済能力についてお伝えいたしました。金融機関が融資先を判断する際の重要項目となりますので、ぜひ一度自社の決算書にて分析いただければと思います。

弊社では決算財務分析報告を実施しておりますので、自社の現状を決算書の数値的な視点から把握されたいかたはぜひお声がけください。

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