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加藤浩之
G.S.ブレインズコンサルティング株式会社 執行役員
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
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Column
2023.02.02
令和5年度 税制改正大綱で発表された贈与の改正に関する詳細は、下記の記事をご覧ください。
暦年贈与が廃止に!?令和5年度税制改正でついに・・・
ここ数年、暦年贈与の実質廃止が囁かれ、毎年の税制改正の注目の一つとなってきました。
昨年、2022年12月16日に税制改正大綱が発表され、ついに贈与に関する相続税ならびに贈与税の改正が盛り込まれることとなりました。
今回はその税制改正大綱の中でも、注目されていた贈与の改正の一部についてご紹介をさせて頂きます。
贈与改正に向けて、下記のような対策をすることが出来ます。
①令和5年末までにできるだけ贈与を行う
相続税の持ち戻し期間が令和6年~8年の3年間で済みます。令和6年以降の贈与になりますと、相続税を負担する持ち戻し期間が4年延び、7年になってしまいます。
【関連記事】暦年贈与の改正に備えて、検討しておくべき対策5選
②贈与した財産を生命保険に替える
贈与した金額には将来相続税がかかる可能性がありますので生命保険を活用し、かかる税金の種類を相続税から所得税へシフトさせます。
今回は、生命保険を活用し、将来の相続発生時に受け取る死亡保険金を相続税でなく所得税に替えて税負担を抑えるだけでなく、より多くの財産を子へ渡せる方法をご紹介します。
これは、親が贈与した現金で子が生命保険に加入する「生命保険の贈与プラン」として以前から活用されておりましたが、加入する生命保険をドル建一時払終身保険にしますと、贈与した金額以上の財産を子へ残すことが可能です。
【生命保険の贈与プランの加入形態】 | |
---|---|
契約者(保険料の負担者) | 子 |
被保険者 | 父 |
保険金受取人 | 子 |
ポイント①:死亡保険金にかかる税負担
父が亡くなり、子が受取る死亡保険金は一時所得となり、相続税より少ない税負担で済むことが期待できます。
ポイント②:死亡保険金は、一時払保険料の1.3~2倍
一般的な円建の一時払終身保険では、受取る死亡保険金は一時払保険料の101~105%程度ですが、ドル建一時払終身保険では、死亡保険金は一時払保険料の130~200%程度とコストパフォーマンスが高いため、子は死亡保険金にかかる一時所得の税負担以上の金額を受取ることが期待できます。
①500万円を贈与(父→子)
贈与額:500万円、贈与税: 49万円、税引後の金額:451万円(子へ渡せる財産)
※現金を贈与しただけでは、渡せる金額は税負担分だけ減ってしまいます。
②税引後の贈与額:450万円で、子がドル建一時払終身に加入
契約者:子(35歳)、被保険者:父(65歳)、保険金受取人:子
A社のドル建一時払終身保険(※わかりやすくするため、為替レート:130円/USDで固定表示)
一時払保険料:450万円(34,482USD)、死亡保険金:832万円(64,019USD)
死亡保険金は、一時払保険料の1.85倍に!
③15年後、父が80歳で亡くなり、子(50歳)は死亡保険金を受取ります
死亡保険金:832万円(64,019USD))
一時所得の課税対象額:166万円=(保険金:832万円-保険料:450万円-基礎控除50万円)×1/2
所得税:50万円(=166×30%:子の所得税率:30%の場合)
④父が子へ渡せた財産額(財産の変化と税負担)
A)父が渡した現金(贈与額):500万円
B)子が負担した贈与税:49万円
C)子が受取った死亡保険金:832万円
D)子が負担した一時所得税:50万円
E)子に残せた金額:782万円
父が贈与した500万円は、贈与税と所得税を負担後、子へ782万円で渡すことができた。
上記の例はドル建一時払終身保険ですので、為替変動により死亡保険金が少なくなるリスクはありますが、生命保険を活用し贈与額を死亡保険金に替えることで、確実に贈与額以上の財産を子へ残せる方法として紹介させて頂きました。
下記のようなお客様には、お役に立てるかと思います。
①なるべく短期間で贈与しておきたい
②数年前から非課税の範囲で贈与を行っており、すでに子にはまとまった贈与額を渡している(生命保険を活用した贈与プランも同様)
ご質問やご相談などがありましたら、ぜひこちらにお寄せください。
相続税申告・相続対策・名義変更支援
相続税の申告は一部の資産家に限った話と思われていましたが、最近のデータでは東京都では約5人に一人が申告をするようになり、当社でも相続税の申告が増加傾向にあります。
また、相続税がいくらになるのか、財産を子供たちがうまく分けてくれるのか、様々なご相談をお聞きしております。相続対策はじっくり時間をかけて行う方が効果的で、検討する時間も十分にとることができます。
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