定着率の高い店舗は紹介で人が集まります。採用に力を入れることも大切ですが、それ以上に定着率を高めていくことです。

新人スタッフの定着率を上げるには不安を取り除くことです。既存のスタッフの定着率を上げるには、仕事のやりがい・楽しさを実感してもらうことです。

今回からは、既存のスタッフの定着率をあげるための具体的な取組みを見ていきます。（図１）

既存スタッフの定着率をあげるためには、仕事に対してのやりがい・楽しさを実感してもらうことです。そのために大切なことの一つは理念の共有の継続です。自社の理念＝価値観を共有していくことです。

それぞれの理念の表現は違いますが、土台にあるのは働く仲間とお客様に関することと思います。つまり、仕事をするうえで働く仲間とお客様のことを考えて行うことが大切なのです。この価値観を共有していないとチームになりません。価値観が違うと定着率が下がるのです。（図２・図３）

働く仲間とお客様のことを考えて仕事をしている人と、自分のことしか考えないで仕事をしている人とは交わらないのです。そのためにも価値観を共有することが大切です。

作業は年数が経つにつれて習熟していきます。ところが理念＝価値観は何もしないと年数が経つにつれて忘れていってしまうのです。そのためにも理念共有の継続が大切なのです。

理念を共有することで、働く仲間とお客様のことを考えて仕事をするようになります。そうすると仕事に対するやりがいが出てくるのです。

なぜかというと、例えば働く仲間のことを考えて仕事をすると、自分が働く仲間のために何ができるかを考え行動します。すると働く仲間からの感謝の言葉をいただけるのです。お客様のことを考えて仕事をするとお客様からおほめや感謝の言葉をいただけるのです。
自分がしたことで人＝働く仲間・お客様のお役に立つことができた。喜んでいただけたとなると、もっと働く仲間・お客様のためにとなるのです。

飲食店の特長の一つは、自分が相手＝働く仲間・お客様にしたことが直接フィードバックされることです。「美味しかったよ」「また来るね」「笑顔がいいね」とたくさんの前向きな言葉をいただけるのです。それがさらに仕事へのやりがいや楽しさを感じることができるのです。（図４）

理念を共有するためにどうしたら良いのかを是非考えてください。例えば日報等に今日の理念の実践したことを書いてもらうのも一つです。それに対して上司がフィードバックします。
また、理念勉強会などを店舗・社内で開催し理念の大切さと具体的に店舗での取組みを考えてもらうのも良いでしょう。また、理念と自分の仕事をテーマにしたレポートを年に数回提出していただくのも良いでしょう。
自店・自社にあった取組みを考えてみてください。（図５）