経営に役立つコラム

Column

2025.10.10

右腕左腕の育て方

右腕左腕の育て方
店長候補を育てるために育成計画を立てたのに、なぜか距離を感じる──。そんな悩みを抱く店長は少なくありません。
実は、育成がうまく進まない原因の多くは「計画」ではなく「関係性」にあります。どんなに優れた計画を立てても、育てられる側が「この人から学びたい」と思えなければ成長は止まってしまうのです。
本コラムでは、店長と店長候補の間に信頼関係を築くための第一歩として、「相手を知る・聴く」「観る・認める」というシンプルで効果的な姿勢に焦点を当てています。日常会話の中にヒントを見つけ、相手の良い変化を言葉にして伝える。そんな小さな積み重ねが、右腕・左腕を育てる本当の近道になるのです。

今回のご質問│店長候補の育成をしていますが、店長候補との距離を感じます…

<今回のご質問>
今店長をしています
店長候補育成で育成計画を立てました
実際に育成を始めたのですが
店長候補との距離を感じます

どうしたらよいでしょうか?

店長候補を育てるために育成計画を立てることはとても大切です。育成計画を立てないと、いつまでたっても店長候補育成ができません。後回しになるからです。育成計画を立てることで、いつまでに何ができればがよいか見えてきます。
ところが、いくら育成計画を立てたとしても、育てる側の店長と店長候補の間に何か距離を感じるならば、いつまでたっても育ちません。その距離とは関係性です。

動画│右腕左腕の育て方

店長候補と良い関係性をつくる

店長候補となる人は、育てる側の人(今回の質問では店長)とは比較的長期的な関係=身近な関係であることが多いです。その場合、育てる側が勝手に店長候補と良い関係ができていると感じてしまうのです。良い関係を作れていることもあるのですが、案外関係性ができていないこともあるのです。身近な関係ほどできていると思い、人間関係づくりがおざなりになっていることが多いからです。

良い人間関係が構築されていないと育成はうまくいかないです。育成は育てる技術よりも関係性が大切だからです。育てられる側が、この人から教わりたいとか、この人と一緒に良いお店をつくりたいという関係でないとうまくいかないのです。

自分の片腕となる人を育てるのに、最初に大切なのは改めて関係作りをすることです。そのためにも、知る・聴くとともに観る・認めることが必要です。

関係作りの第一歩

関係作りの第一歩は、相手を知ることです。店長候補は身近な存在なために、育てる側が「自分は店長候補のことをよく知っている。」となりがちです。改めて知ることをしていくことです。
人は日々変わります。自分が知っている店長候補のことがじつは古くなっていて、今は違うことも多々あるのです。古い情報ではあったり、自分の思いこみであったりすると、それがギャップになるのです。

人は自分のことを知ろう、理解しようという人に対して好印象を持ち、心を開きます。まずは、育てる側が相手を知ろう理解しようとする気持ちが大切なのです。相手を知ろう理解しようと思ったら、相手の話をよく聴くことです。
そのためにも質問をすることです。相手を知ろう理解しようとすることで、相手は心を開き本音を言ってくれる関係になります。この本音を言い合える関係がとても大切なのです。

人間関係作りの段階

人間関係作りには段階があります。先ほどの相手を知る理解する前に大切なのは、人としてです。それはさんづけ・返事・笑顔・挨拶・話しかけ・ねぎらい・感謝を店長候補にしっかりとすることです。身近だとおろそかになっていることが多いです。とくにねぎらいや感謝の言葉をかけていないことが多いのです。身近な存在だからこそ、人としてのことをしっかりとすることが必要です。人としてのあたりまえのことができないと関係は作れないのです。

そのうえで、先ほどの相手を知る理解するために聴いていくことです。聴くときには、仕事の前に日常会話=仕事以外の会話をすることです。日常会話では、今関心があることや好きな食べ物等、仕事と関係の無い相手のことを聞いていきます。日常会話は一見仕事には必要の無いように思うのですが、仕事以外のことで相手を知る理解することが、実は人間関係作りにはとても重要なのです。日常会話で関係性を作れるから、仕事の会話がしやすくなるのです。

そして聴くときにはポイントが3つあります。一つは、相手の言ったことを否定しないこと。どうしたらいいですか?と聞かれていないのにアドバイスや助言も、相手にとっては否定に聞こえます。まず聴くことです。
そして次に比較しないことです。他の人と比較すると相手のモチベーションは下がります。
第三に、自分の話をしないことです。聴いていたら途中から自分の話をずっとしていた、だと相手は自分の話を聴かない=知ろう理解しようとしていないと映るからです。

観る認める

人間関係作りの段階に沿って関係を作ったならば、次に行うことは相手を観る認めることです。身近な人に対しては、できていないことや不足ばかりが目に付くのです。相手の良い点やできるようになったこと、頑張っていることに気づかないのです。だから自然と認める言葉を掛けることが無い、または少なくなっていくのです。

身近な人の良い点や良い方向に変わったことは、相手をよく観ていないと気づかないです。身近な人ほどしっかりと観て、できていることや些細な良い変化に気づくことです。良い点に気づいたならば、それを言葉にして伝えることです。なぜか身近な人に対しては言わなくてもわかってくれると思い込み、言葉で伝えていないことが多いのです。

良い点を伝えるから、育てる側の言葉を聞こうとするのです。常にダメ出しでは、言葉では「わかりました」と言いながらやらないことが多いのです。これは内心は反発しているのです。早く育てたい、早くできるようになってもらいたいと焦れば焦るほど、ダメ出しが多くなるので要注意です。

自分の片腕を育てるには、育て方の前に改めて相手との良い人間関係を作ることです。良い人間関係を作ることで距離を感じず、育成はスムーズにいくのです。

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落合嘉寛

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G.S.ブレインズコンサルティング株式会社 マネージャー

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