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2024.10.04

仕事が優秀な上司ほどやってしまいがちな受け身人材育成方法

仕事が優秀な上司ほどやってしまいがちな受け身人材育成方法
皆さま、こんにちは。本日は、優秀な上司ほど無意識に受け身の人材を育ててしまう問題についてお話いたします。私たちが育てるべき人財は、「自ら考え、工夫し、行動を決断する」自律した人材です。

しかしながら、仕事が出来る上司ほど、結果として受け身の部下を育ててしまう傾向があります。今回はその原因と、どのような行動を取るべきかについてお伝えいたします。

動画│仕事が優秀な上司ほどやってしまいがちな受け身人材育成方法

受け身人材が育つ3つの原因

①いきなり答えを伝える、細かい指示を出す

仕事が出来るがゆえに、全体の流れや起こりうる事態を容易に想像できてしまいます。そのため、「教えてあげよう」「ミスをさせたくない」という思いから、すぐに対応方法を伝えたり、細かく指導してしまったりすることがよくあります。
しかし、その結果、「〇〇さんに聞けば教えてもらえる」となり、部下は自分で考えず、受け身の姿勢が強まってしまいます。さらに、細かい指示に対しても「〇〇さんから言われたから・・・」という理由だけで作業を進めるようになり、自分の考えを持たずに仕事を進めてしまうことに繋がります。

②上から目線や一方的な言動

なかなか上手くいかず、成果や結果に繋がらないとき、上司は答えがわかっているがゆえに、自分の考えや方向性に部下を導きたくなってしまいます。結果的に、「とにかく〇〇をやれ!」「良いから〇〇をやれ!」といった一方的な言動や、相手の気持ちを無視した上から目線の対応になりがちです。
このような言動が続くと、部下は萎縮し、ネガティブな感情を抱きやすくなります。その結果、上司に言われたからやるという受け身の姿勢が強まり、自発的に考え行動する力を失ってしまいます。

③過度な管理・監視

部下の行動を管理することは非常に重要ですが、細かく管理しすぎてしまうと、部下は「信用されていない」「任されていない」と感じてしまいます。その結果、「〇〇さんの言う通りに行動しておけば良い」という受け身のマインドに陥りがちです。
仕事が優秀だからこそ、「部下のために」と良かれと思って行っている行動が、結果として受け身人材を育ててしまうことに繋がることがあります。

部下を育てるための基本スタンス

①答えを伝えずに、考える場をつくる

質問されたときや指導が必要な場面では、すぐに答えを伝えるのではなく、「〇〇さんはどうしたら良いと思いますか?」「どう考えますか?」と問いかけ、考える場を作ることが大切です。どうしてもその場で答えを伝える必要がある場合でも、後で少し時間を置いて、「あの時の指示はなぜそのようにしたと思いますか?」と振り返りを促すアプローチを取ることが有効です。

一番重要なのは、いかにして部下に考える時間や機会を作るかです。私も前職の上司からは、こちらから相談した内容に対して、「鈴木さんはどう考えているの?」と何度も問いかけられました。当時は「早く解決策を教えてほしい」と思っていましたが、振り返ると、その質問に備えて自分なりの答えや意見を用意するようになり、自然と考える癖がついたのだと感じます。

②お互いに意見が言いやすい環境づくり

上司の態度が上から目線であったり、部署内で意見が言いづらかったりする環境では、「変な意見を言ったら怒られるのではないか・・・」「こんなことを聞いたら恥ずかしいのではないか」といった感情が先立ってしまいます。その結果、一人ひとり考えてはいても意見が出てこないという状況がよくあります。

考えさせるアプローチを取る前に、まずは日々の上司・部下間やチーム内でしっかりとしたコミュニケーションが取れているか、意見を出しやすい環境が整備されているかが重要です。

③仕事を任せる、チャレンジさせる

人は誰しも、何かを任されたいと感じるものです。その任せる範囲は人それぞれ異なりますが、任せることで自信につながることも少なくありません。しかし、細かい指示や過度な管理が続くと、「信用されていない」「任されていない」と感じるようになってしまいます。
もちろん、重大な損害に繋がるリスクがある場合は慎重な対応が必要ですが、任せる範囲を考慮しながら、少し背伸びをするような挑戦をさせることが、自ら考え行動する機会を生み出します。

この際に考慮すべき重要なポイントは、「何をもって失敗とするか」という定義です。その範囲内での失敗であれば、あえて経験させることで自ら気付きを得られるように促すアプローチも大切です。

④良い行動・成果に対して、声に出して認める

良い行動や成果が出た際にも、「まだまだ簡単なことだから・・・」といった理由で、上司から認める発言がないことがよくあります。しかし、人間は誰しも承認欲求を持っています。もし良い行動や成果に繋がっているのであれば、意識的に声に出してその努力を認めることが大切です。これにより、部下を次のステップへと導くことが出来ます。

ぜひ皆さまには、日々の行動を振り返り、「受け身の人材を育てる行動」になっていないか、「自ら考え行動する人材を育てる行動」になっているかを見つめ直してみてください。
最終的には、「自ら考え、創意工夫をし、時には上司に相談しながらも自分の意思で行動内容を決定する」自律した人材を育てることが出口です。そのためには、自分自身の行動がどのような影響を与えているのかを振り返り、今後に活かしていってください。

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