東京商工リサーチの調査によると、2021年度に後継者がいらっしゃらずに倒産した件数が約380件ありました。

世の中としても後継者をいかに育て事業承継をするかが大きなテーマとなっております。

ただ事業承継と言っても財産を承継するだけではありません。財産を適切に承継することも大切ですが、それと同じように経営をいかに適切に承継するかも大切です。

事業承継とは、単に後継者へ事業を承継して終わりではありません。特に労働人口が減り続けていくマーケット縮小時代の厳しい中で会社・事業が継続していくため、また発展していくためには、働く人から選ばれる会社づくりをしていかなければなりません。

そのためには適切に経営の承継を実施し、事業を永続させるとともに働く人の生活を守り続ける「事業承継」が非常に大切になります。

では、具体的に経営の承継を進めるためにはどうするべきか。2つのキーワードでお伝えします。まずは「経営の可視化」です。

現経営者は創業してから様々な出来事があったかと思います。2代目、3代目の方もご自身が入社し、そして経営者になられてから良いことも苦しかったことも様々なご経験があると思います。経営者の方々はその時々で物事を「決める」という判断をされてきたと思います。設備投資をするタイミング、幹部を辞めさせなければいけなかったタイミング等、経営者お一人お一人に様々な決めるタイミングがあったかと思います。その一つ一つを決められたからこそ今の会社があるのではないでしょうか。

事業承継とは、後継者の方が一から会社を始めるのではありません。今まで経営者の方々が積み重ねてきた意思決定や判断基準等を引き継ぎ、後継者がその基準を活かしていくことで会社は永続的に成長することが出来ます。だからこそ、今まで経営者の方々が積み重ねて来られた意思決定や判断基準を可視化し、承継することがとても大切です。

また可視化する過程の中で、後継者も一緒になって考えることで後継者の経営者感覚や意識含めて成長することが出来ます。

後継者が経営者となるためには様々なことを習得しなければいけません。経営全体における知識や損益計算書だけではなく貸借対照表、キャッシュフロー等の数字に対する理解は不可欠です。

ただし、経営の知識を身に付けたからと言って、経営が上手くいくでしょうか。知識を身に付けたからと言って、今まで会社を支えてきてくれた古参の経営幹部や社員が後継者に付いてくるとは限りません。後継者に変わった途端に社員が退職するということもよくある話です。

特に若い後継者に変わった途端に組織のバランスが崩れることは往々にしてあります。ただ若い後継者だからと言ってみんな上手くいかないわけではありません。

大切なのは、後継者自身が知識を身に付けると同時に自分自身の課題と向き合い、相手を尊重し、一人一人に合わせた言葉や行動、態度表情を選ぶことです。人間力を決めるのは自分ではなく、相手（社員一人一人）です。日々社員の方々との信頼貯金が貯まっているかを理解しながら相手と接していくことがとても大切です。

後継者が人として成長し、経営幹部や社員が後継者を支えようという組織になると事業承継は大成功となるでしょう。

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事業承継を「先のことだから」「よくわからないから」と後回しにしていませんか？

日本の経営者の平均年齢が60歳を超える一方で、6割以上の企業は後継者が不在であると言われています。後継者不在の企業では、経営者の健康問題により事業継続の見込みが立たないなど後継者難を理由とした倒産が増え続け、事業承継問題の深刻化が進んでいます。

事業承継は単に現経営者から後継者へ事業を承継するだけではございません。後継者の育成も含めると準備には5～10年かかると言われております。会社の業績や市場の動向を踏まえて最適なタイミングで事業承継を実行に移すためには、事前の準備が重要となります。

当セミナーでは、事業承継の全体像や進め方について、事例を交えながらお伝えいたします。今まさに事業承継にお悩みの方はもちろん、事業承継はまだ先だという方も、この機会に事業承継について考えてみませんか？

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