私たち管理者が作るべきチームとはどんなチームでしょうか。それは2つを兼ね備えたチームです。

どれだけ人間関係が良く、人が辞めない組織を作ったとしても、自身・部署に課せられた目標を達成しなければ誰も幸せにはなりません。部署に課せられた目標の結果にこだわり、PDCAサイクルを適切に回しながら目標を達成出来るチームを作ることが大前提です。

ここで言う目標は、売上・利益だけではありません。安全作業件数やお客様満足度等、部署として追いかけるべき数字目標全てを指します。

目標となる数字ばかりに目がいき過ぎてしまうと成果主義型となってしまうことや結果が伴わなかったときの指示・命令が増えてしまうことが多くあります。目標達成型のチームと並行して人間関係の強いチームを作ることが大切です。

目標達成をするために、部署のメンバー全員で知恵を出し合い考え合える組織、良いところを認め合える、間違っていることを指摘し合えるチームを作ることです。単なる仲良しチームを作るわけではありません。人間関係の強いチームを作る目的は、みんなで知恵を出し合い、最終的に部署全員で目標達成に向けて取り組むためです。目標達成した結果が自分たちにも還元されるためです。

どちらか一方だけ強いではなく、両方を兼ね備えた事業部・チームを作ることが必要です。

そのようなチームを作っていくために管理者が担うべき役割とは、上（会社・社長・上司）を支えて、下（部下・スタッフ）を育てることです。部下を育てるという認識を持っている人は多くいますが、私たちの役割は部下を育てるだけではありません。会社や上司を支えることも私たちの役割です。組織の上に立つ人は、誰もがリーダーであると同時に会社・上司のフォロワーであるということを理解し、行動することが大切です。

フォロワーは4つのタイプに分かれます。

時として、傍観者タイプ、風見鶏タイプが出ることもあります。自分自身の行動を振り返り、どのタイプが多いかに気付き、今後ベストフォロワーの行動を選ぼうとすることが大切です。

会社が成長するためには、まずは自分自身がベストフォロワーとなりうるよう日々の行動を見直していくことです。その上で、自身のベストフォロワー（右腕・左腕）を育て、次のリーダーとしていくことです。

会社のトップや部長がどれだけ想いや考えを語ったとしても、日頃近くにいる直属の上司が「社長は○○と言うけど・・・」とネガティブな言葉ばかり口にしていると組織はどうなるでしょうか。

近くにいる管理者の発言の方が影響力が強くなってしまうことが多くあります。
組織は上からの組立です。管理者が腐れば組織も必ず腐ります。まずは上に立つ者として発する言葉を気を付けることが大切です。

社長や上司から話された内容をそのまま部下へ伝えてしまうと意図しない捉え方をされることがあります。結果的に退職まで繋がってしまうことも少なくありません。
組織は上に行けば行くほど見ている景色が異なります。一般社員は目の前の仕事を見ていても、部長や経営者は先々を見ながら仕事をしています。だからこそ相手に正しく伝わるようにかみ砕いて伝えること、時として優先順位を決めて伝えるタイミングを変えること等が必要です。
上から来た内容をそのまま下に落としているのであれば、中間にいる管理者の意味は何もありません。上から下りてきた内容を整理しながら、一般社員の目線に立って伝えていくことが大切です。

逆も同じです。一般社員から上がってきた意見を何でもかんでも上司に上げれば良いかというと、そうではありません。提案してきたものを整理した上で会社へ提案することが必要です。時には部下へもう一度考えさせるために付き返すこともあるでしょう。
上司から部下へ、部下から上司へという両方向の中で、翻訳力が必要となります。

この2つの翻訳力を身に付けながら上司のベストフォロワーとして支え続けていくことが管理者として必要です。

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