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鈴木 優
G.S.ブレインズコンサルティング株式会社 マネージャー
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
会社が成長していけるノウハウをご提供するG.S.ブレインズコンサルティング株式会社
Column
2021.04.20
書籍名:対話のレッスン~日本人のためのコミュニケーション術~
著者名:平田 オリザ氏
著者である「平田 オリザ」氏は国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成された劇作家、演出家の方です。著書自体は2001年に発売されたものではあるものの、今の電子化が進む時代の中で非常に大切なテーマが多くあると感じ、今回ご紹介させて頂きます。
著書内では、まず「会話」と「対話」について定義されています。
「会話」とはすでに知り合ったもの同士が楽しくおしゃべりをすることであり、「対話」とは異なる価値観をすり合わせること、他人と交わす新たな情報交換や交流のことと書かれております。
著書内でも書かれている通り日本人は学生時代から気の合う仲間との小さな集団の中で会話をすることがほとんどです。そのため、対話をする習慣がほとんどありません。この対話の少なさが社会に出てからより顕著に表れるのではないでしょうか。
特に部下をもった管理職の方々は、部下一人ひとり考え方が違いその考え方を理解しながら対話を重ね、一人ひとりがモチベーション高く仕事を進めてもらうように、また目標を達成するように日々マネジメントを進めていかなければいけません。
しかしながら、この対話が苦手な管理職の方が多く、部下の不平・不満等に対して同調してしまい、結果的に部下の代弁者として会社に伝えていることが多くあります。本来であれば会社の考え方を理解し、部下の価値観も理解しながらも考え方をすり合わせながら進むべき方向を決めていかなければいけませんが、結果的にそうなっていない管理者は多くいらっしゃいます。このほとんどが「対話」ではなく「会話」となってしまっているのではないでしょうか。
昨今の新型コロナウイルスの影響でデジタル化がより加速度的に進み、テレワーク等で部下と顔を合わせる機会もほとんど少なくなっている会社も多くあります。その中でメールやSNS等のコミュニケーションツールを活用したコミュニケーションが増えてきております。
その中で、本来対面していれば伝わる抑揚や表情などのニュアンスが伝わらないためにコミュニケーションのズレが起きてしまい、結果的に人間関係が悪化することも多くあります。
相手にとっては何も意図していないことでも、文字だけで見ると「冷たい」と感じたり、「本当にわかっているのか」と誤解を招いたりすることも多くあります。そのような状況が続いてしまうと自分の価値観のみを絶対視する一方通行のコミュニケーションが強くなってしまうのではないでしょうか。だからこそ「対話」の考え方が必要になってきます。
著書内でもインターネットを中心にしたデジタル通信網が発達する一方で顔を突き合わせて話し合うことの価値が生まれると書かれております。より相手を理解するために様々なコミュニケーションの取り方を考えていかなければ、対話を進めることも難しくなるのではないでしょうか。
著書内では対話の出発点は、「伝わらない」ということから始まると何度も繰り返して書かれております。また「私とあなたは違うということ」「私が大事にしていることを、あなたも大事にしてくれているとは限らないということ」があり、それでも私たちは、理解し合える部分を少しずつ増やし、広げて、一つの社会の中で生きていかなければならないと書かれております。
まさに自分と相手は違うということを理解することから始まるのではないかと強く感じております。そのために、相手を深く知ることが必要であり、相手の話に耳を傾け理解しようとすることが部下を育成する上でとても重要であると考えております。また部下育成だけでなくても他事業部との連携を図ること等にも同じことが言えるのではないでしょうか。対話力を管理職の方々、経営幹部の方々がより強くすることで会社全体がより強固な組織になっていきます。
本書内では他にも日本語のありさまやコミュニケーションのあり方について様々な事例を含めて書かれております。改めて自分自身の日々のコミュニケーションの取り方や考え方を見直す1冊となれば幸いです。
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