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2024.07.29

宅地と隣接する駐車場の評価単位

宅地と隣接する駐車場の評価単位
相続時における土地の評価では、評価単位の設定が不可欠です。
土地は地目ごとに区分され、宅地や雑種地として評価されますが、特に宅地と隣接する駐車場がどのように評価されるかが重要なポイントとなります。
本コラムでは、土地の基本的な評価ルールを紹介し、具体的な事例を通して宅地と駐車場の一体評価の方法を詳しく解説します。

相続で土地を評価する場合、土地をどこで区切るかを決めなければなりません。
評価のために区切られる土地の1つ1つを評価単位と言います。評価単位を決める基本ルールは、次のものとなります。

土地は地目ごとに区分される

土地は用途によって、「宅地」「田」「畑」「山林」「雑種地」などの地目に区分されます。「宅地」は、建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地とされます。「雑種地」は、どの地目にも属さない土地とされ、駐車場の敷地は「雑種地」となります。

土地は地目別に評価するのが原則ですが、一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合、そのうち主たる地目からなるものとして評価します。

宅地や雑種地は利用の単位ごとに評価する

宅地は利用の単位となる1区画の宅地(1画地の宅地といいます)ごとに評価します。

同じ土地に居宅と隣接する自家用の駐車スペースがある場合、駐車スペースは自宅の維持・効用を果たすために必要なものとして、敷地全体を「宅地」として自用地評価します。

マンションとマンションの住人だけが利用する隣接の駐車場の場合も同様に、敷地全体を「宅地」として自用地評価します。
商業施設に併設する駐車場の敷地は、商業施設と一体利用されるので「宅地」として自用地評価します。

土地の評価に他人の権利が及ぶ場合

土地を他人に使用させる場合は、土地の評価には他人の権利が及びます。

賃貸アパートや賃貸マンションの敷地は、住人の権利が及ぶため、貸家建付地として評価します。

賃貸アパートや賃貸マンションに隣接する駐車場は、アパートやマンションの住人だけが使用する場合、建物と駐車場の土地は一体利用されているので一画地の宅地となり、全体を貸家建付地として評価します。

月極駐車場を経営する場合は自用地評価

土地所有者が自身で月極駐車場を運営する場合は、車の保管を目的とする行為とされ、賃貸借契約とは本質的に異なる契約関係となります。この場合、土地評価に利用者の権利は及ばず、自用地評価となります。

なお、コインパーキングなど駐車場事業者に土地を賃貸する場合は、その事業者の権利が土地に及びますので減価されます。

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