2023.06.16
税務調査と行政指導―突然の税務署からの電話で「申告書に誤りがある。修正申告書を提出するように。」
突然、税務署の担当者から「あなたが提出した確定申告書に〇〇〇の誤りがありました。申告書の内容を見直して、誤りがありました…
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Column
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法律的に税務調査は、質問調査権に基づく「任意」のものとされています。任意とはいえ、正当な理由なしに断った場合は所定の罰則が科せられることになっています。
査察については、税務職員は臨検・捜索・差押えができるとされており、こちらは「強制的な調査」と位置づけられています。
税理士業を営んでいれば、調査は比較的身近な存在ですが、査察となると非常事態です。2021年度の件数を見てみると、調査(法人税)は約41,000件、査察については116件ですから「悪質な脱税者と疑われる者に対して行う」という重みが感じられます。ただ、世間一般では混同されることもあり、お客様に「査察が来ました」と言われ驚き、よくよく聞いてみれば調査のことでほっとする、という経験をした税理士先生も居るかもしれません。
国税庁は毎年、査察についての概要を公表しています。令和5年度の取組として、検察庁に告発した件数は101件、脱税総額(告発分)は89億円とのことです。
個別にどんな事案を告発しているのかも例示しており、消費税事案では高級腕時計のシリアルナンバーや不正入手したパスポートの写しを用いて書類を偽造し、架空の課税仕入れや輸出免税売上を計上していたものや、コンビニで販売していた免税商品について虚偽のパスポート情報を用い架空の輸出免税売上を計上していたものが紹介されています。
また、虚偽のコンサルティング契約書を使った所得隠し、脱税のための虚偽の経費を計上するスキームを節税と謳って、納税者に利用させた脱税請負人事案等も紹介されています。
言うまでもなく、脱税は犯罪です。見つかれば余計に税金を払うことになるばかりか、悪質だと判断されれば実刑判決が下されることもあります。
令和5年度中に一審判決のあった83件全てに有罪判決が言い渡され、9人に対しては実刑判決が下されています。
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