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近藤浩三
G.S.ブレインズグループ代表 税理士
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
会社が成長していけるノウハウをご提供するG.S.ブレインズコンサルティング株式会社
Column
2023.02.14
「ウイズコロナ」の合言葉の下で、経済は昨年秋から全面的に動き出しています。
コロナ禍が終息したわけではありません。経済の動きをこれ以上制限してしまったら、日本経済が持たなくなるという認識により、感染防止対策を各企業、各個人に委ねたという事情です。
それだけでも、業種によってはホッとして活発に動き出しました。しかし、昨年の後半はコロナ禍よりもっと厳しい波が企業にも消費者にも襲ってきました。インフレーションです。
あらゆるモノやサービスが値上げの一途を辿っており、消費者を、そして企業を苦しめています。とりわけ企業を苦しめているのが電気やガス、石油、ガソリンなどのエネルギーコストです。
この原稿を書いているのは昨年・令和4年の12月ですが、エネルギーコストは秋口からじわじわと上昇し、製造業や運輸、サービス業など幅広い業種で苦しい経営を余儀なくされてきました。
年が替われば……と、淡い期待を抱いている向きもあると思いますが、残念ながらこの傾向は簡単には止まりません。間違いなく年が明けても上がり続けるでしょう。上昇する要因はあっても、上昇が止まる要因が見えないのです。
しかも、エネルギーコストの上昇は日本だけではなく世界的な動向であり、海外との取引をしている企業はいっそう苦しい経営を強いられています。
エネルギーコストは、前述の業種ばかりではなくあらゆる業種に影響していきますから、結局はすべての企業、そしてすべての家庭をも苦しめることになります。しかも、今のところインフレの出口が見えていないのですから、体力のない中小企業はコロナ禍以上の長く厳しい逆風となってしまうかもしれません。
中小企業には、さらに厳しい逆風が襲ってきています。
人件費の上昇と、それに関連する離職者の増加と採用難の実態です。この実態は、2020年からのコロナ禍以前から顕著になっていました。
中小企業の社長さんや人事関連の役員や担当部長さんにお会いすると、口癖のように「人手が足りないのに、募集広告を出してもハローワークに行っても、全然手応えがないのですよ」と私たちに訴えてきます。
採用がむずかしいだけではありません。離職も増えています。「やっと若手を採用できたと思ったら、1年も持たなかった」などという話はよく聞きます。
中小企業が離職者の増加と採用難に陥っている要因として真っ先にあげられるのは賃金でしょう。
政府の賃金アップ要請に応えられるのは大企業だけで、中小企業は皆「そんな余裕はどこにあるんだ」と反発しかありません。間もなく春闘が始まりますが、中小企業の社員は「いいなあ」と羨ましく眺めていることでしょう。
しかし、若手が集まらない・雇っても離職していく理由は賃金ばかりではありません。働き方の態様においても「選ばれない」「持たない」要素がたくさんあるのです。
残業は当たり前、有給休暇は取らない、時には休日出勤もするし、家に持ち込んでこなしていく……といった「昭和型」の働き方が当たり前のようにまだ残っているのは、やはり中小企業なのです。
この昭和型の働き方にハマっているのは、50代以上の社員です。その昭和型の社員が課長や部長、あるいは役員や社長になっていると、どうしても「当たり前感」から抜けられないのでしょう。
国(厚生労働省)は、2016年から「働き方改革」を推進しています。「働き方改革」とは「働く人々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会」を実現するための改革のことです。
こうした国の施策に全く関心を示さない向きが多いのも中小企業であり、昭和型の管理者です。
コロナ禍騒動で忘れていた方も多いと思いますが、国のほうは着々と進めているのです。こうした「国が推進している方向性」に無関心でいるのは損な姿勢だと私たちは考えています。
企業の幹部がこの方向性に無関心であっても、国の施策は着々と進みます。2018年6月には「働き方改革法案」が成立し、2019年4月かはら「働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)」が施行されているのです。
私たちG.S.ブレインズのメンバーは、常に国の施策には高い関心を持ち、その方向性に反発するのではなく、施策に乗る方向で物事を考えています。国と全く異なる方向を見て計画を立てるのは損な選択だからです。
さて、その「働き方改革」について若い人たちは高い関心を持っています。自分たちの生き方に直接的に関係することですから無関心ではいられないのでしょう。若い人たちは、国が推進している「働き方改革」を追い風にして、仕事とプライベートのバランスをとり、自分のやりたいことを優先して生きようという志向が強くなっています。
こうした志向を強く受け入れて行動しているのは30歳前半までの若手であり、まさしくこれからの日本を支えていく「人財」なのです。この若手人財を認めようとせず、昭和型の働き方に拘泥しているとしたら、残念ながら負け組に入るしかありません。
もちろん、こうした若手人財を積極的に受け入れるには条件があります。
自社の生産性を上げ、付加価値を高め、収益力上げ、そしてその収益を若手人財に投じ続けることです。勝ち組に入るのは、この条件をクリアする企業だけなのです。
次回は具体的な2023年度の取り組み内容についてお伝えいたします。
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