2021.05.25
今、管理職に求められるものは何か
コロナ渦の経営危機は全国的な広がりを見せながらますます厳しさを増しています。ただ、ワクチン接種にようやくスピード感が出て…
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
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Column
2021.06.28
① ルールを守りきらせる
② 実務の「型」(標準化したやり方)をチェックし、やりきらせる
③ 人を育てる技術
④ 人を動かす技術
⑤ ③、④の技術を支える人間力
今月からそれぞれの中身を解説していきます。
管理職による部下育成は、中小企業経営の要になりますし、何よりもマーケット縮小時代を生き抜くための最重要課題です。
ところが、現実にはこの最も大事な管理職の役割を果たしていない、あるいは間違った考えで行っているケースが多く見られるのです。この部下育成の中身を根本から改革・再構成していかないとマーケット縮小時代を生き抜くことは到底できません。
まずは①のルールをどのように守り切らせるかですが、部下に守らせるルールとは何か、何があるかを整理してみましょう。
部下に守らせるルールは、二つ柱に分かれます。
1 基本ルール
2 仕事のルール
基本ルールとは、社会人として当然身につけていなければならない、身に付けていなければ社会人として通用しないルールです。
たとえば、代表的には「身だしなみ」であり、「時間を守る」ことです。身だしなみは、対面で会う人に不快な気持ちにさせないことが第一です。社会人の身だしなみといえば男性の場合はスーツにネクタイですが、業種によっては日常的にラフな格好で仕事をし、スーツにネクタイが逆に歓迎されないケースもあります。女性の場合は派手過ぎない身だしなみということになるでしょう。
要は、見た目が同じ組織のメンバーとして歓迎されるかどうかです。
こう書いていくと、「上司はそんなことまで注意しなければならないのか」と思う向きもあるかもしれませんが、「ある」のです。
私があえて「守りきらせる」という言葉を使ったのは、直属上司はこういうところまで気を使ってチェックする役割を担っているからです。
たとえば営業職の場合は、第一印象で嫌われたら売上げにつながりません。身だしなみは一例です。
時間厳守や身だしなみ以外にも社会人として守りきらなければならないルールはたくさんあります。守り切っていないと社内においても一人前とは認められません。
同じ組織の中に半人前のメンバーがいたら組織全体の力は弱まります。組織の力は、みんなが同じルールを守りきるかどうかが最も基本的なベースになります。ルールを守り切ることによって同じ組織のメンバーとして認めあい、そこを出発点として組織の強さが培われていくのです。
「同じ組織の同じルール」といえば、この次に述べる「仕事のルール」のほうを思い浮かぶかもしれませんが、社会人として守るべき基本ルールを軽視してはいけません。
私たちGSブレインズグループ・成長支援グループでは、「7つの約束」というタイトルをつけてメンバーに配布し、メンバー全員が100%守りきるようにしています。
いわゆる「見える化」の一方法ですが、ここまでやってこそ「ルールを守りきる一人前のメンバー」となるのです。基本ルールのレベルをご理解いただくために、私たちグループのルールをお見せしておきましょう。
あいさつ:あいての目を見て、あいてに体を向けていつでも、さきに。
ねぎらい:働く仲間(上司・先輩・同僚・後輩)の頑張りを認め、言葉をかけましょう。
(例)「お疲れ様です」「頑張っていますね」「助かります」
感 謝:どんなに些細なことでも相手への感謝の気持ちを忘れずに、「ありがとう」を伝えましょう。
返 事:呼ばれたら元気よく、大きな声で「ハイ!」と返事をしましょう。
笑 顔:笑顔は仲間・お客様に好感を与え、ファンを増やします。
さんづけ:仲間の名前を呼ぶ時は「さん付け」で呼びましょう。
否定しない:相手の話を聞くとき、否定をしないで、先ず聴くという姿勢を取ります。
二つ目の柱、「仕事のルール」はそれぞれの業種業態や会社ごとに異なるので細かな例示はできませんが、項目としては次のようなルールがあります。
・自社の仕事のルール
・営業管理のルール
・品質管理のルール
・クレーム対応ルール
・会議のルール
・チーム、課の運営ルール
・報告、連絡、相談のルール(いわゆる「ホウ・レン・ソウ」) 等
このうち、「ホウ・レン・ソウ」は、会社によって、あるいは業種によって優先順位が変わるでしょう。
たとえば、相談→報告→連絡、という順位になる会社もあります。
すなわち、何よりも「先ず相談する」というルールです。私たちのような専門コンサル系の会社は相談が優先されます。
この仕事のルールは、生産性に直接的に影響してきます。当然、会社の業績を左右します。したがって、第一線で部下を動かす直属上司の役割はきわめて重いのです。
したがって、私が再三再四言い続けている「マーケット縮小時代」を勝ち抜けるか、敗者となってしまうかの岐路が第一線の管理職にかかってくるということなのです。
ところで、基本ルールにせよ仕事のルールにせよ、ルールを軽視する社員はなぜ軽視したり無視したりするのでしょうか。タイプとしては、次の2つのタイプがあげられます。
1 自己評価が高い部下
2 他責に逃げる部下
1の自己評価高い部下の頭の中は、こうなっています。
「あれだけ結果を出しているのだから、ルール順守なんて・・・・。」
このように傲慢な部下を持った上司は、確かに何も言えない例が多いことでしょう。では、ずっと何も言えないまま泳がせていたら組織はどうなるでしょうか。
組織全体の総合力を考えれば自ずとわかります。組織の総合力は次第に弱体化していき、企業としては「負け組」の仲間入りをすること必定です。
2の場合は、何でもかんでも他の人のせいにするタイプの社員です。そうすることにより、自分自身を守ろうとする行ないです。
「上司があれだから、いちいち報告しなくもいいんだ。相談しても的確なアドバイスなんかもらえないし……」
では、このように勝手な自己判断でルールを守らない部下に対して、上司はどのように向き合えばよいのでしょうか。
6つのポイントをあげておきましょう。
① まずやらせる→この場合は「とにかくやりなさい」が必要になる。
② スルーしない→ルール違反をしている部下を見て見ぬふりをせず、厳しく指摘する。「まあいいか…」は禁物。
③ 感情を出さない→ルールを守らない部下を「感情的に怒る、叱る」行為は逆効果。それで心から態度を変える人間はいない。
④ 罰を与えない→評価ではない。
⑤ 指摘し続ける→守るまで言い続ける。
⑥ 日報のフィードバック→日報で常にルールに関して伝え続け、考えさせることが大事。
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