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安部亮
G.S.ブレインズ税理士法人 執行役員
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
会社が成長していけるノウハウをご提供するG.S.ブレインズコンサルティング株式会社
Column
2023.04.10
毎年1回決められた時期に会計帳簿を締めて「数値」を確定させることを「決算」もしくは「年次決算」と呼びます。
法人は1年以内の任意の期間で「事業年度」を定め事業年度末に「決算期」を設けます。例えば事業年度が4月1日から翌年3月31日の会社であれば3月が「決算期」となります。ここで1年間の会社の経営成績を損益計算書に、決算時点の財政状態を貸借対照表に表示し数値を決算書として確定させます。
この「決算」で確定させた数値をもとに会社の納税額を算定し、また投資家への配当可能限度額を算定し、あるいは各種利害関係者に1年間の状況を報告し、さらには銀行借入の際の会社の状態を示す必要書類となるなどの機能を持ちあわせています。
個人事業主の場合には、事業年度は1月1日から12月31日となり決算期が12月、ここで締めた会計帳簿を基に確定申告をすることで納税額が算定されます。
法人及び個人事業主のいずれの場合でも年に1回は決算を行うこととなりますが、この決算においてどのようなことを行っているのか、次に大まかな流れを見てみましょう。
決算時においては貸借対照表の各勘定科目の残高を確定させる必要があります。
現金や預金はもとより、売掛金や買掛金・未払金のほか、棚卸資産や固定資産・借入金などの貸借対照表上の資産・負債科目の決算日現在での残高に整える必要があります。
例えば、毎月20日締めの請求書で管理している仕入先に対する買掛金であれば、決算月には21日~月末までの仕入分を確認したうえで買掛金残高を調整する決算整理仕訳が必要になります。
また実地棚卸による棚卸残高の確定や、固定資産の減価償却分の計上による償却処理なども決算整理仕訳として行う必要があります。
決算整理仕訳を踏まえ残高が確定し、利益を算定したのちに、税金の計算を行います。
法人の場合には法人税のほかに法人事業税・法人住民税といった地方税の計算をあわせて行います。また消費税に関しても決算時に納税額を計算し決算整理仕訳に反映させます。
税金計算の結果を踏まえ、税目ごとに定められた書式に従い申告書を作成します。
通常決算期後2カ月以内の申告書の提出と納税(個人事業主の場合には確定申告期限までの申告と納税)をもって決算の一連の流れが完了します。
上記でみてきたように決算(年次決算)では、①残高を確定させ②税金を計算し③申告・納税があるため、中小企業にとっては専門的知識や一定の時間を要する大掛かりな業務として捉えられていることが多いかと思います。
これに対して「月次決算」では、
①すべての残高を確定させるわけではない
②税金計算も概算である
③申告・納税の必要は基本的にない
といった特徴があります。
これは月次決算の目的が主として経営の意思決定に役立つ情報を提供することにあるからにほかなりません。
例えば年に1回の決算のみの場合には、毎月の損益が把握できないどころか、期末納税額の金額や資金繰りの見通しなども非常にたてづらいものとなります。
これを月次決算として一定のレベルで毎月実施することで、①将来の業績見通しが立てやすくなるほか②事業戦略や今後の対策が打ちやすくなるといったメリットが、また③銀行からの融資を受ける際にも月次での数値状況推移が明確で融資が受け易くなるといった点や④毎月残高を確定させていることから決算期における決算業務の軽減が図れるといったメリットが生じます。
月次決算の目的が経営の意思決定に役立つ情報を提供するものであることから、月次決算実施のポイントは①正確性と②迅速性(スピーディー)の2点になります。
正確な経営判断に役立つ情報を提供するためには、月次決算の正確性を確保する必要性があります。
正確な月次決算のためには、会計のルールに沿った会計処理はもちろんのこと、ルールを決めて円滑な社内業務体制を整備することが必要です。
正確な月次決算が組まれているかのチェックとしては、語呂合わせで「たかはしのひげ」などと呼ぶこともありますのでチェックしてみてください。
【月次決算の正確性を確保する「たかはしのひげ」 チェックリスト】
た・・・棚卸資産の計上がきちんとされているか?
か・・・仮払金・仮受金はないか?
は・・・発生主義会計の原則に沿って計上されているか?
し・・・消費税は税抜き経理か?
の・・・納税充当金は計上されているか?
ひ・・・引当金は計上されているか?(賞与引当・退職金引当・貸倒引当)
げ・・・減価償却費は計上されているか?
もうひとつに情報提供のスピードが大切です。毎月の業績を経営判断に活かすという視点からは中小企業においては出来れば5営業日、遅くとも毎月15日前後までに月次決算が完了し試算表が完成していることが望ましいです。
このためには毎月末や月初に経理業務を集中させることなく、また関係各部署との連携を図り、月次決算業務を効率的に進める仕組みの構築が必要です。
月次決算でお困りの際は、幣事務所までお気軽にご相談ください。
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