経営に役立つコラム

Column

2025.02.26

ミスの多い部下に対する効果的な質問法

ミスの多い部下に対する効果的な質問法
部下のミスが続くと、上司としてはその原因を問いただしたくなるものです。しかし、「なぜミスをするのか?」と聞くことで、部下は言い訳を並べるだけになり、根本的な解決につながらないことがあります。
重要なのは、原因を追及するのではなく、今後ミスを防ぐためにどうすればよいかを考えさせることです。「どうしたらミスを防げるか?」といった質問に切り替えることで、部下は自発的に改善策を考え、行動を変えやすくなります。上司の質問の仕方ひとつで、部下の思考や行動は大きく変わります。
どのような質問をすれば、同じミスを繰り返さない部下を育てられるのか、一緒に考えていきましょう。

今回のご質問│ミスの多い部下に対して原因を聞くと言い訳しか返ってきません…

<今回のご質問>
最近ミスの多い部下に対して
原因を聞くと
言い訳しか返ってきません

どうしたらよいでしょうか?

どうしても仕事をしている時にミスは起こります。大切なことは、同じミスを繰り返さないことです。

二度繰り返さなければいいのですが、人によっては同じミスを何度も繰り返してしまう人もいます。自分の部下にそのような人がいたら、どうしたら良いのかを考えていきましょう。

動画│ミスの多い部下

ミスが多い部下にしてしまうこと

ミスが多い部下に対して、上司がしてしまいがちなのは「原因」を考えさせることです。

理屈から言えば、原因を見つけて改善すれば同じミスは繰り返さないことになります。だから原因を探る質問をします。「なぜミスをするの?」「どうしてミスを繰り返すの?」等です。 

この質問は、一見有効な質問に感じます。物や機械が壊れたときには、原因を探ることが大切です。原因を見つけて、部品を交換する等の対応をすると正常な動きに戻ります。

ところが、人の場合には原因がそんなに単純ではないのです。いろいろなことが重なりあっていることが多いのです。先ほどの原因を探る質問をすると「言い訳」が出てくるのです。

質問に対して答えている部下からすると、一生懸命にミスする理由を説明しているのです。聞いている方からすると、どうしても言い訳にしか聞こえないのです。この時に「言い訳はするな」といったことを伝えると、どうなるでしょうか?

部下からすると「質問に対して一生懸命わかりやすく伝えているのに、なぜ言い訳と言われなければいけないの」と不満を感じさせてしまうのです。

言い訳するなと言われてしまうと「できない理由」や「誰かなにかのせい」にしたことがでてきやすくなってしまうのです。「言い訳」「できない理由」「誰か何かのせい」にしても先には進みません。結局同じミスを繰り返してしまうのです。

しつこく原因を追究すると、部下は自分が否定されたように感じ、感情的になり反発して、できない理由や誰か何かのせいにしてしまうのです。

ミスを繰り返している部下に対しての質問の仕方を変えることが大切なのです。言い訳をする部下に質問でさせてしまっているのです。

同じミスを繰り返させないために

同じミスを繰り返させないためにはどうしたらよいのでしょうか。

それは、原因を探る質問ではなく、これからの行動に関する質問をすることです。

先ほどもお伝えしたように、ミスの原因はいろいろなことが絡み合って起こっています。原因を探ろうとしても答えはでないのです。原因が自分の意識の低さといった抽象的なものになりやすいのです。

だからこそ、これからミスをしないために何をするのかという行動に焦点を当てた質問をすることです。「なぜミスをするのか」ではなく「ミスしないためにどうしたらよいのか」を聞くことです。

「ミスをしないには何をしたらいいかな?」「同じミスをしないためにどうしたらいいと思う?」といった、これからの行動を考えさせる質問をすることです。

行動を考えさせる質問をすることで「これからの自身が行う行動」や「自分ができる方法」が返ってくるのです。自分で考えたことなので、うまくいかなかったとしても自分の責任と考えるようになります。

結果としてミスをしないための違った行動を考えるようになります。結果としてミスを繰り返さないようになります。解決策を自分で考え、自発的に行動するようになるのです。

上司である私たちが求めているのは、原因をさぐることではなく同じミスを繰り返さないという結果です。その結果を求めるならば質問の仕方を変えることです。

質問の仕方で変わる

育てる側(上司)の質問一つで、相手(部下)の行動は大きく変わります。

相手が言い訳をするのではなく、言い訳をするような質問を上司がしているのです。このことに気づき、質問内容を変えることで、相手の思考・行動が変わるのです。

例えば、遅刻が多い人に対して「なぜ遅刻するの?」と聞けば、遅刻する理由が返ってきます。聞く側からすると言い訳に聞こえてしまいます。

さらに問い詰めると感情的になり、時間を守れない理由や仕事が忙しすぎる等の誰か何かのせいが返ってくるのです。

だからこそ、これからの行動に焦点を当てる質問をします。「どうしたら時間通りに来れるかな?」です。

ちょっとしたことで人の行動は変わります。うまくいかないなと思ったら自分の伝え方や質問を変えてみましょう。

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落合嘉寛

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