経営に役立つコラム

Column

2021.04.02

【Q&A】経営理念はどうしたら社内に浸透するでしょうか?

多くの方からいただいているご質問にお答えしていきます。

<今回のご質問>
社内で経営理念の浸透をと思い取り組んでいます。ですがなかなか浸透しません。どうしたら浸透するでしょうか?改善策を教えてください。

【動画】経営理念はどうしたら社内に浸透するでしょうか?

社内でよく起きる経営理念に関する問題

次のようなことが起きていないでしょうか?

・幹部、管理者が経営理念を理解していない
・見ていると働いている人たちが経営理念と違う言動をしている
・経営理念と自分の仕事が結びついていない
・経営理念がスローガンで終わっている
・皆が経営理念が大切、浸透が大切というが、それで終わっている

これでは、理念が浸透しているとは言えません。では、どうしたらいいのでしょうか??

経営理念の大切さ

なぜ、経営理念は浸透していかないのか?原因は「経営理念浸透に向けての具体的な行動が弱い」ことです。私たちが「経営理念の浸透に向けて、具体的に何をしていますか?」と質問をすると「具体的に答えられないこと」が非常に多いのです。

「浸透させたい気持ちはあります」とか「いろいろやっています」とお話をされる方に「具体的にいろいろとは例えばどんなことですか?」とお聞きすると答えられないことが多いです。

また、「努力をしている」とはいうものの、どんな努力をしているかを自分で説明ができないケースも多々あります。「答えられない」ということは「具体的な行動に移し切れていない」ということです。当然、経営理念の浸透ができていないのです。

改めて言うまでもなく経営理念は役職関係なく、社員でも契約社員でもパート・アルバイトでも意識することです。なぜなら、経営理念とは会社の共通の目的であり価値観だからです。
同じ会社で働く人の価値観が一緒であれば問題はありませんが、価値観が一緒でなければ様々な問題が起きてしまいます。

価値観の違いにより生じる問題

次のような質問にあなたはどうこたえるでしょうか?

Q:あなたは仕事をしていく上でどれが一番大切ですか??

①「お客様」
②「効率」
③「利益」

「①お客様」が一番大切だと思うあなたは、仕事においてお客様の立場に立って、お客様のことを考えた言動をするでしょう。

「②効率」が一番大切だと思うあなたは、なにより「効率」を最重要視して仕事をこなすでしょう。

「③利益」が一番大切だと思うあなたは、「利益」を一番に考えた仕事のやり方をするはずです。

このように、何を一番大切に考えるかによって、一人ひとりの言動は変わっていきます。

「効率」が一番大切な人は、「お客様」を一番大切に考える人の仕事を見て、「効率が悪いな」と感じます。「利益」が一番大切な人は、「お客様」を一番大切に考える人の仕事を見て、「それでは利益がでない」と文句を言いたくなります。このように、会社の中で仕事における価値観がバラバラであれば、話がかみ合わなくなります。

皆さんの会社の経営理念を改めて見てみてください。
その中に、「効率」とか「利益」というキーワードが出てくるでしょうか?それとも「お客様」とか「働く仲間」というキーワードが出てくるでしょうか?
おそらく後者ではないかなと思います。

「効率」や「利益」は会社を継続していく上で大切なことです。ただ、会社として一番大切にしている価値観とは、「お客様」や「働く仲間」であるということが経営理念を見れば明らかです。

理念が浸透していなければ、一人ひとりの価値観で仕事をしますから、様々な場面でズレが生じてくる、というわけです。だから、この価値観を一致させる、つまり経営理念を浸透させることが大切、ということになります。では具体的に、どのようにすれば経営理念が浸透していくのでしょうか?

経営理念浸透の具体的な方法①

経営理念を浸透させる具体的な取り組みの1つ目は、一人ひとりが経営理念に対して今どの段階か、を見える化することです。

①知っているか?(暗唱できるか?)
②分かっているか?(理念の大切さや込められた想いや言葉の意味を自分の言葉で話せるか?)
③意識しているか?(理念に沿った具体的な行動を1回でもしたか?)
④意識し続けているか?(日々経営理念に沿った行動について振り返りをしているか?)

この4つができて初めて、

⑤経営理念を人に伝えられる、みんなで取り組める

⑤ができる人になります。

経営理念を浸透させようと思ったならば、まず、一人ひとりが経営理念において①~④のどこをクリアしているかを見ていきましょう。①~④をクリアして、⑤人に伝えられる、みんなで取り組める人が増えれば、その組織・会社は経営理念が浸透しているということになります。

経営理念浸透の具体的な方法②

2つ目は、経営理念と自分自身の仕事を結び付けるための取り組みや環境をつくることです。その取り組みや環境の例をあげてみましょう。

「経営理念の会」

「経営理念の会」というような小グループの会を開催します。月1回、経営理念の内容や、経営理念と自分の仕事を結び付けたエピソードなどについて話し合います。1時間程度、階層も様々な4~5人の少人数で会を構成していくと理解が深まっていきます。

経営理念とわたし

半年に1回程度、経営理念に沿った仕事について振返って文章にし、それを経営計画発表会や部門ミーティングなどで発表してもらいます。そうすると、経営理念と自分の仕事が結びついていきます。

振り返り

勤務終了後に、働く仲間、お客様、取引先様に出来たことやもっとこうすればよかったことを毎日振り返ります。そうすれば、必然的に経営理念と自分の仕事を結びつけることになります。

経営理念の浸透を難しく考えるのではなく、経営理念は具体的な行動をすることで浸透していく、ということを頭に入れてほしいと思います。今回お伝えした2つの具体的な方法をぜひ実践し、経営理念を社内へ浸透させていきましょう。

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落合嘉寛

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G.S.ブレインズコンサルティング株式会社 マネージャー

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