当事者意識をもって行動してもらうために、部下に考えてもらいたいテーマとして、「なぜ働くのか」ということがあります。しかしながら、多くの人がこの目的を持てていません。自ら考えて行動し、工夫するためには、仕事に対する動機づけが必要です。

なぜ働くのかを考えるときに、次の2つの質問をさせて頂きます。

このような質問は当たり前のことのように思えますが、実際には今まで考えたことがない人がほとんどです。
大手企業では初期教育の中で「社会人として」「働くとは」という研修を行っていることが多いものの、中小企業ではそのような時間が取れないまま現場に出ることが多いです。
その結果、考える前段階で「知らない」「教わったことがない」という状況に陥っています。知らないのであれば、教育を行う必要があります。

私たちの商品やサービスを通して「お客様に喜んでいただく」「お客様のお役に立つ」ことをした結果、その対価としてお金を頂きます。私たち従業員もその行動の対価として給与をもらうことができます。

私たちはお客様の課題や困っていることを理解し、商品やサービスを通してそれらの課題を解決し、お役立ちをすることです。

働く目的をお聞きすると、多くの方が「生活のため」「趣味のため」「家族のため」といったプライベート側の理由を挙げます。プライベートを目的にしてはいけないとは考えていません。私自身も家族を養うために仕事をしています。しかしながら、プライベートのことだけが目的になると、仕事を終わらせることだけが目標になり、受け身の人材になりやすいです。

ここで大切なのが、ビジネスや仕事の基本を考えることです。私たちは会社や組織に価値を提供し、その対価として給与をもらいます。社会やお客様に対しても同様で、私たちの商品やサービスを通じて価値を提供し、その対価としてお金を頂きます。

これは当たり前のことですが、この考え方を理解していないことが多いのです。

この仕事の基本を理解すると、もっとお客様に価値を提供するためにはどうすれば良いか、喜んで頂くためには何が必要かを考えるようになります。だからこそ、プライベートに対する仕事の目的を持たせることと同時に、社会やお客様に対する仕事の目的を考え続けることが重要です。

この考えは経営理念と共通することが多くあります。経営理念と併せて考えさせながら決めてもらうことで、お客様に対する当事者意識を芽生えさせる機会になります。
このような基礎教育を進めていくことが重要です。

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