2024.09.11
従業員に住所変更があった場合の社会保険と税金の手続き
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Column
2024.09.13
令和6年7月4日、最高裁は労災保険の給付(本件では療養補償給付及び休業補償給付)について、事業主は取消訴訟の原告適格を有しない、つまり訴える資格がないと判決しました。
本件は、中小企業向け福利厚生の保険業を営む一般社団法人の従業員が請求して認められた労災補償給付に対し、当該法人が国に処分取消を求めたものです。
札幌地裁では事業主は原告適格を有しないと判断しましたが、札幌高裁は原告適格を有すると判断が分かれていました。
被災労働者等が国(労働基準監督署長)に対し労災認定を請求して認められれば、「補償給付」(通勤災害の場合は「給付」)を受けることができます。
労災保険料は事業主が全額負担しますが、「メリット制」という、労災給付が少なければ保険料が最大4割少なく、逆に多いと保険料が最大4割多くなる制度があります。
一般的な継続事業の場合、100人以上の労働者を使用するか、20人以上100人未満の場合は災害度係数(業種と労働者数で算出、計算式は省略)が0.4以上の場合、特定事業主としてメリット制が適用されます。労働者が20人未満の場合、メリット制は適用されません。
当該法人は特定事業主であるため、労災給付が増えるとメリット制で労災保険料が高くなるため、要因となる元々の労災支給決定処分に異議を唱えたのです。
最高裁は、労災保険の目的である被災労働者等の迅速かつ公正な保護に照らし、保険給付に係る法律関係を早期に確定させることが法の趣旨であるとし、事業主が保険給付の処分取消を争うと、この趣旨が損なわれると判断しました。
なお、労働保険料の認定に関して、事業主は別途不服申立てや取消訴訟を提起することができるため、労災認定処分の取消ではなく、労災保険料認定の不服申立てや取消訴訟で争うべきとしています。
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