経営に役立つコラム

Column

2024.08.30

土壌汚染のある土地の評価

土壌汚染のある土地の評価
開発や売却を考える際、土壌汚染の問題は土地の評価に大きな影響を与えます。

令和6年の資産課税の改正により、土壌汚染のある土地の評価基準が整理されました。特定有害物質による汚染が確認された土地は、調査・対策の義務付けの有無にかかわらず、減価対象となります。

この記事では、土壌汚染に伴う土地評価の仕組みや、具体的な評価方法についてわかりやすく解説します。

工場跡地でマンションや商業施設などを開発するとき、特定有害物質による土壌汚染が見つかることがあります。土壌汚染は人の健康を害するため、土地所有者等は土壌汚染対策法により、汚染状況について専門機関による調査を行い、都道府県知事に結果報告が求められます。基準に適合しない場合は区域の指定を受け、汚染土壌の除去や封じ込め等の措置が求められます。

土壌汚染された土地は、減価される

土壌汚染対策法は平成14年に制定され、国税庁は、平成16年7月、汚染された土地の評価について原価方式を基本とする資産課税の取扱いを公表しました(16年情報)。

その後、国税不服審判所の裁決事例が積み重ねられ、国税庁は令和6年7月、土壌汚染のある土地の評価について原価方式を踏襲しつつ、あらためて資産課税の取扱いを整理し、公表しました。
新たな取扱いでは、特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないことが明らかな土地は、土壌汚染の調査・対策の義務付けの有無にかかわらず、土壌汚染地に該当することが明記されています。

相続評価は原価方式

原価方式は、不動産鑑定評価で採用される評価法です。「減価のない土地の評価額」から「浄化・改善に要する費用」「使用収益の制限を受けることによる減価相当額」「心理的要因による減価相当額」を控除します。

浄化・改善費用は、汚染がない土地の相続評価額が地価公示価格水準の8割程度とされるため、同様に見積額の80%相当額で評価します。使用収益の制限とは、封じ込め措置をとる場合、地中に特定有害物質が残留して土地の利用制限を受けることによるものです。心理的要因による減価とは、土壌汚染があることによる嫌悪感から生じるもの(スティグマ)をいいます。

除去・改善費用は確実な債務として控除

浄化・改善費用について見積額が確定しているときは、浄化・改善措置の実施が確実であることから「確実と認められる債務」として評価額から控除します。また、都道府県から助成金が交付される場合は、債務額から助成金の額を控除します。

汚染の原因者には求償できる

土地所有者等は土壌汚染の原因者に除去に要した費用を求償できます。求償権も相続財産として計上します。また、回収が困難であるときは、財産評価基本通達に則して貸付金債権の評価を行います。

経営のお役立ち情報を配信中!

G.S.ブレインズグループでは、皆様の経営に役立つ情報を定期的に配信しております。
最新情報は登録無料のメールマガジンでお知らせいたします。

免責事項について
当記事の掲載内容に関しては、細心の注意を払っておりますが、その情報の正確性・完全性・最新性を保証するものではございません。
また、ご覧いただいている方に対して法的アドバイスを提供するものではありません。
法改正等により記事投稿時点とは異なる法施行状況になっている場合がございます。法令または公的機関による情報等をご参照のうえ、ご自身の判断と責任のもとにご利用ください。
当社は予告なしに当社ウェブサイトに掲載されている情報を変更・削除等を行う場合があります。
掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
G.S.ブレインズ税理士法人

お役立ち情報を発信していきます

G.S.ブレインズ税理士法人

お気軽にお問い合わせ・
ご相談ください

無料相談 経営のお悩みなど、まずはお気軽にご相談ください。
弊社スタッフがお客様の状況に最適なサービスをご提供いたします。

03-6417-9627

営業時間 9:30〜17:30(土日祝を除く)

HPを見てお電話した旨をお伝えください

くろじになる