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近藤浩三
G.S.ブレインズグループ代表 税理士
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
会社が成長していけるノウハウをご提供するG.S.ブレインズコンサルティング株式会社
Column
2019.09.17
では、規模が小さい会社には希望がないのかといえば、もちろんそんなことはありません。世の中には、大企業の職場風土が肌に合わず、あえて中小企業に転職する若者も少なからずいますし、「小さな会社のほうがやりがいを持てる」と、最初から中小企業に的を絞って就活する学生もいるのです。人手不足を解消する秘策はありません。厳しい状況ではありますが、中小企業経営者の皆さんに、私は「王道を行ってもらいたい」と切に願っています。王道とは、本来あるべき道、進むべき正当な道のことです。結局、それしかないのです。そして、確信を持って王道を行く会社こそが厳しい経営環境の中でもステップアップしていく企業、成長し続ける企業になれるのです。
前回、前々回と「マネジメント」を中心に書きましたが、今回は「リーダーシップ」に絞って、皆さんと一緒に考えてみましょう。ちなみに、マネジメントとはリーダーのスキルであり、マネジメントなくして、またマネジメントを知らずしてリーダーシップは語れませんし、組織のリーダーにはなれません。復習しておきましょう。企業組織におけるマネジメント(リーダーのスキル)は、大きくは①部下育成 ②チームづくり ③PDCAを廻す、の3本柱に分けられます。まずは、これを頭に入れておいてください。
私は、税理士として、また中小企業の成長を支援するコンサルタントとして、多くの中小企業に関与し、現場をつぶさに見てきました。その経験から断言しますが、ほとんどの中小企業には「本来あるべきリーダーシップ」が存在していません。“ほとんど”ですから、なかには本来的なリーダーシップシップによって組織を運営している例、または運営するようになった例もあります。そういう会社は、確実にステップアップしています。
では、企業組織におけるリーダーとは、そしてリーダーシップとは、そもそもどういうものでしょうか、どうあるべきなのでしょうか。はっきりと言えることは、与えられたチームのメンバーを動かし、チームの目標を達成する責任を負う人です。「メンバー(部下)を動かし」というところがキーポイントで、何でもいいから動かせばいいというわけにはいきません。たとえば、命令によって有無を言わせず動かすことは簡単ですが、今の時代には到底無理で、パワハラの誹りを受けることになりかねません。
それより何より、強制的な動かし方では部下のモチベーションは全く上がらず、結果的にチームの目標を達成する責任を果たせなくなります。キーワードは、「信頼」です。部下は上司を信頼し、上司は部下を信頼する。その結果、目標は達成され、チームの一人ひとりに達成感や成長実感が自然に生まれてきます。そして、目標達成を繰り返すことによってチーム全体が厚い連帯感で結ばれ、盤石のチームになっていくのです。この流れを創り出すことこそ、「本来あるべきリーダーシップ」の姿にほかなりません。残念ながら中小企業の多くはこの流れを創り出すことができず、結果として人が辞め、人手不足に喘ぐ会社になってしまうのです。
次回は、「本来あるべきリーダーシップ」を日常の具体的な言動から探ってみましょう。
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