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近藤浩三
G.S.ブレインズグループ代表 税理士
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
会社が成長していけるノウハウをご提供するG.S.ブレインズコンサルティング株式会社
Column
2020.01.22
昨年いや数年前から言い続けているように、東京オリンピック年の今年はほとんどの業種で厳しい不況の波を受けることになります。短期的にも長期的にもマーケットの縮小は顕著になり、人手不足と相俟って中小企業は苦しい経営を強いられることになるでしょう。
昨年から本欄で強調し続けているように、こういうときにその場しのぎの舵取りばかりしていると先行きに希望が持てない会社になってしまいます。たとえば、「ビジネスモデルを変えなきゃ」とか「マーケティングを根本から見直す必要がある」と焦って、事業計画を大きく変えてしまう例があります。ビジネスモデルやマーケティングの見直しは、もちろん必要かもしれません。ただ、非常に重い戦略ですから、容易にはいきません。今そして今後、中小企業が生き抜いていくには、2つの絶対的な条件が必要でだと私は言い続けています。
一番目は、付加価値を上げ続けること
二番目は、生産性を上げ続けること
この2つの課題にどう取り組んでいくかを考え続け、組織全体で実践し続けることが中小企業の生きる道ではないでしょうか。
この課題をクリアしていくアプローチは、ビジネスモデルやマーケティングだけではありません。経営者や管理者、そして社員一人ひとりのすぐそばにあります。今日からすぐに着手できることです。その一つが昨年の秋から本欄のテーマにしている「振り返り」なのです。
予めお伝えしておくと、もう一つ今日からすぐに着手できる重要なアプローチ方法があります。「段取り」です。「振り返り」と「段取り」。この両ターゲットの実践が会社の組織全体に浸透していけば、「付加価値と生産性を上げる」という経営課題を最も手堅く、最も効果的にクリアしていけると確信しています。「段取り」ついては、「振り返り」が一段落してから言及していきます。
さて、「振り返り」について皆さんに前回お約束したように、実際にどういうメッセージのやり取りをしているか、実例をお見せしましょう(個人名や固有の仕事内容は伏せます)。
まず、入社1年目の若手社員の例です。複数の上司宛にチャットワークを通して業務終了後に送っています。
若手社員〈お疲れ様です。本日の振り返りです。○(できたこと、自分で納得していることの自己評価印。この会社では、○△のマークを付けて上司に送っている)Yさんから……のレベルアップについてレクチャーを受けました。このレクチャーで担当業務の全体像が見えてきました。△自分の未来を考える良い機会になったかな、とも思いました。〉
この会社では「振り返り」とは別に、週報として直属上司に「今週の業務報告」を送っています。業務報告は当然義務ですが、「振り返り」は義務ではありません。みんな自分の都合に合わせて、ほぼ毎日送っています。直属上司は必ずメッセージを返していますし、同時に読める直属以外の上司が返信する場合もあります。返すほうも自由です。
前回書いたように、このやり取りは双方お互いに義務ではありません。ただし、直属上司はよほどのことがない限り、翌日の朝までに本人に返しています。
もう一つお見せしましょう。今度も同じ会社ですが、他業種から中途入社で入った社員です。
中途入社社員〈お疲れ様です。○今日の午後にМ社に訪問した際、わが社に対する希望をお聴きすることができました。△この仕事に関するお客様の率直な気持ちに少し近づいた気がします。×お客様はまだお話したいようでしたが、次のアポイントがあったので事情を話し途中で引き上げたのは拙かったと反省しています。アポイントの取り方や訪問の仕方についてもう少し工夫が必要でした。〉
この×については、上司が具体的なアドバイスをしています。部下も上司も、こうしたやり取りを面倒がってはいません。特に上司は皆、部下の本音の気持ちに近づけると、このシステムを歓迎しています。
上司と部下の距離が縮まっていく流れは、必然的に組織全体のパワーアップにつながります。会社の付加価値や生産性は、このような日常の自然なコミュニケーションから少しずつ向上していくものです。
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