経営に役立つコラム

Column

2019.11.05

「キャッシュフロー経営」に必要な「キャッシュフロー計算書」の理解と考え方

消費税増税後「キャッシュレス決済」というワードが普及・定着しておりますが、これとは別に「キャッシュフロー経営」なる言葉をお聞きになったことはありますでしょうか?かれこれ20年以上前から利用されている言葉ではありますが、改めてその意味を理解するとともに、理解に際し必要な「キャッシュフロー計算書」の構造と考え方を説明させて頂きます。

中小企業経営における財務諸表「財務三表」

中小企業経営における「財務諸表」は、1年間の会社の経営成績を表す「損益計算書(P/L)と、決算時点での財務状態を表す「貸借対照表(B/S)」が代表的です。また、「損益計算書」・「貸借対照表」に加えて、会社の1年間の現金資金の出入りを企業活動の状況により3区分に分けて表した「キャッシュフロー計算書」をあわせて「財務三表」と呼んでいます。

キャッシュフロー経営を理解するには

このうち「キャッシュフロー計算書」は「損益計算書」に表示される「利益」と「貸借対照表」に表示される「資金」(現金・預金)をつなぐ循結環の役割を果たしているのですが、作成過程の複雑さや専門性から、中小企業経営では作成されないか、顧問税理士任せといった会社も多いのではないかと思います。

しかしシンプルに捉えるとポイントは、

(1)「利益」と「資金」の違い
(2)「資金」を生みだす「企業活動」の違い

の2点ですので、ここを理解出来れば「キャッシュフロー経営」の考え方もさほど難しくはないでしょう。

キャッシュフロー計算書の構造

では「キャッシュフロー計算書」の構造はどのようになっているでしょうか?
キャッシュフロー計算書を簡略化した【資料】をご覧下さい。

キャッシュフロー計算書を理解する

【資料】

「損益計算書」上の「税引前当期純利益」①から始まり、「貸借対照表」上の「キャッシュ残高」⑥へと記載されていきますが、これは企業活動で生じた「利益①」が「どのような企業活動(②・③・④)」を通じて「増減(⑤)」し、「資金⑥」へと変わったかを表しています。ここで「キャッシュフロー増減額⑤」に着目して下さい。仮に【資料】の例のとおり、⑤の減少が今期に1000万円あったとしますと、その原因が企業活動②・③・④に表れてきます。

すなわち、本業の営業活動によりいくら資金が増減したのか(「営業活動によるキャッシュフロー」②)、設備投資を中心とした投資活動によりいくら資金が増減したのか(「投資活動によるキャッシュフロー」③)、また借入もしくは借入返済といった財務活動によりいくら資金が増減したのか(「財務活動によるキャッシュフロー」④)の3区分で、資金の増減理由を損益計算書上の「利益」と結びつけ説明しているのです。

この際「キャッシュフロー経営」では、「利益」のみならず「資金」にも目を向けますので、①が1000万円の黒字であるという以外にも⑤が1000万円の資金減少という点にも目を向けその原因に問題はないか、検討していく必要があります。資金の健全性確保にはいくつかのポイントがあり、代表的なものが【資料】に記載してありますのでご確認下さい。

自社の「キャッシュフロー計算書」をご確認したい際には、是非弊社担当までお声掛け下さい。

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