2022.01.13
【予算を立てる5つのプロセス】成長企業が実践している正しい「予算」の立て方
中小企業の「予算」の立て方について社長にご質問させていただくと、「実はきちんと教わったことがない」、あるいは「今やってい…
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Column
2022.01.24
① キャッシュ額(資金の動き)
② 損益分岐点売上高(利益ゼロの売上高)
③ 労働生産性(社員一人当たりの付加価値額)
以下、順に確認して参りましょう。
お金は会社にとっての血液です。キャッシュレス化が進み手元資金が現在いくらあるのか、取引を踏まえどのような資金の動きとなっているのかを理解することは最も重要な数値把握のひとつとなります。
例えばこんなケースがありました。決算が終わり、決算書上も利益がしっかり出て納税もされている会社なのですが、手元の資金残は前年度決算時点から大きく減少していました。
社長:「黒字であり、利益も出ている。なぜ資金が手元に残らないのか? この決算書は本当に正しい決算書なのでしょうか?」
担当:「確かに利益はしっかり出ています。しかし、商品在庫も大きく増加し現金化出来ておりません。また期末に営業用車両の購入もありました。そして借入金の元本も利益と同じくらい返済しています。借入金の元本返済は費用になりませんから、大きく資金が減少しています・・・。」
資金の動きは「キャッシュフロー計算書」上、
① 営業活動上の資金増減
② 投資活動上の資金増減
③ 財務活動上の資金増減
の3つに区分されますが、上記例では①・②・③のいずれにおいても資金減少が生じている可能性があります。資金の動きと残高をきちんと把握し、血が止まらないよう留意することが極めて重要です。
利益がプラスマイナスゼロとなる売上高を「損益分岐点売上高」と呼びます。「損益分岐点売上高」を超えれば黒字会社、下回れば赤字会社です。この黒字・赤字ラインを把握しておくことが重要なポイントです。
では、どのように把握すればよいのでしょうか?「損益分岐点売上高」を把握する第一歩は、原価・経費を売上の増減に合わせて増減する「変動費」と、売上の増減に関わらず一定額発生する「固定費」に分類することから始まります。
原価・経費の区分の組み替えにより、通常の「損益計算書」が「変動損益計算書」に変わります。この「変動損益計算書」を用いて損益分岐点売上高を把握することにより、「利益」を出すために会社が行うべき打ち手は、①売り上げを増やす ②変動費率を下げる ③固定費を減らす の3つであることが分かります。
それぞれの打ち手を検討する数字上のスタートラインに立てたことになりますので、自社の損益分岐点がいくらになるのか、ぜひご確認ください。
資金の動きと損益分岐点を把握出来た後、「利益」を生み出す指標として「社員一人当たりがどれくらいの付加価値を生み出しているか」を捉えていくと良いでしょう。この指標は「労働生産性」と呼ばれています。
「労働生産性」のなかで意味する「付加価値額」とは、売上高から元手としての商品・原材料仕入れや・外注費を差し引いた「粗利益」を言います。決算書上の売上総利益がそのまま該当するケースもありますが、売上原価の内容を把握し一部付加価値算定用への組み替えが必要となります。これを「従業員数」で割り、「社員一人当たりの付加価値額」である「労働生産性」を算定します。
「労働生産性」が高いということは、会社の独自性が高く、他企業と比べ差別化が図られている状況にありますので、これを原資に従業員の給与アップが図れます。逆に付加価値を上げない限り給与アップの原資は限られます。また、固定費を賄いきれない状況であれば会社は赤字になるということです。
中小企業の労働生産性の基準を参考までに示しますので、自社数値と照らし合わせてみてください。
① 黒字企業(地方) 800万円
② 黒字企業(東京) 1000万円
③ 優良企業(東京) 1500万円
*注)業種・従業員数の算定方法により変動いたします。
中小企業の会計・基準数値でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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