2022.02.03
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Column
2022.07.04
2022年4月19日に相続税をめぐる訴訟について最高裁判決が出ました。マンションを相続した遺族がその不動産の評価をめぐって争われた事例です。相続税を0円で申告しましたが、国税当局から3億円強の追徴課税をされてしまいました。
マンションの購入が相続税の負担を不当に減らすためにおこなった取引であると認定されてマンションの評価を路線価ではなく、不動産鑑定評価が妥当と判断されました。
今回の判決は相続実務に大きく影響を及ぼす可能性がございますので判決の内容や今後の相続対策に対する考えを述べていきたいと思います。
被相続人は平成24年に94歳で亡くなっております。
主な相続財産には、亡くなられる3年半程前(90歳)の時に8億3,700万で購入した賃貸マンションと亡くなられる2年半程前(91歳)の時に5億5,000万で購入した賃貸マンションがありました。いずれもほぼ借入で購入して相続発生時の残債としては10億近い金額でした。
相続税の申告の際の不動産の評価としては通常、財産評価基本通達に定めた方法で評価されます。土地についてはいわゆる路線価評価という方法で算出されます。
下記の金額のとおり、今回の事案でも相続人は路線価評価で相続税の申告したことにより、他の財産を含めても購入時の残債10億を差し引くと相続税が0円という結果となりました。
Aマンション | Bマンション | 合計 | |
①購入価額 | 8億3,700万 | 5億5,000万 | 13億8,700万 |
②路線価評価 | 2億 | 1億3,300万 | 3億3,300万 |
③不動産鑑定評価 | 7億5,400万 | 5億1,900万 | 12億7,300万 |
評価差額(③-②) | 5億5,400万 | 3億8,600万 | 9億4,000万 |
ところが、税務署側は路線価評価で評価することが著しく不適当として、不動産鑑定評価で主張してきた事案となります。
結果として、税務署の主張が認められ上記③の不動産鑑定評価で算出した相続税となりました。
相続税法上、財産の価額は時価(第三者間取引で成立する価額)で評価する旨が規定されています。しかし、時価の把握は困難なため、国税庁は相続税の財産評価の一般的な基準を財産評価基本通達で定めており、土地については路線価評価となっております。路線価評価は時価の80%を目安に設定されており、賃貸物件ですと時価の60%~70%の金額となります。
今回の事案では上記の表のとおり、路線価評価ですと著しく評価が低くなっております。このように路線価評価が著しく不適当となり租税負担の公平に反すると認められる財産は例外規定(総則6項)により、国税庁長官の指示を受けて評価する旨が定められております。ただし、この例外規定もむやみやたらに適用されるわけではございません。
今回の判決のポイントとしては、下記のとおり行き過ぎた節税対策が要因と考えられます。
①相続直前に実施した相続対策
②購入価額や鑑定評価と路線価評価が著しくかけ離れている
③相続後間もない期間でのマンション売却
上記①では90歳、91歳という高齢で借入をしての不動産購入の点、②では購入価額や鑑定評価と路線価評価が著しく乖離しているため、租税負担の公平を害している点、③では相続発生から9か月という間もない期間でBマンションを5億1,000万で売却している点から過度な節税対策と捉えられ、例外規定での判決となりました。
今回の判決については、不動産を用いた相続税対策にとって大なり小なりリスクが内在していることが判明した判決かと思います。購入時期だけでの判断ではなく、諸々の事情を総合的に判断しての判決と認識しておりますので不動産購入による相続対策そのものが否定されたわけではないと考えております。
とはいえ、今まで以上に相続直前に不動産を購入する予定の場合や高額な不動産投資を用いた相続税対策などについて、より慎重に対応または検討していく必要が出てまいります。少しでもリスクを低減するために相続対策は早めに考えていくことをお勧め致します。
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