経営に役立つコラム

Column

2025.12.05

2番手に仕事を任せるアプローチ法

2番手に仕事を任せるアプローチ法
右腕や左腕を育てたいと思っても、思うように任せられない。その背景には「同じ伝え方では通用しない」現実があります。相手によって仕事への理解度も姿勢も違い、任せる側の接し方で結果が変わります。
まず必要なのは、任せる相手との信頼関係を築くこと。そして、そのうえで仕事に合わせて関わり方を調整する視点です。知識と経験、意欲の組み合わせから、任せ方にはいくつかの型が見えてきます。その整理ができると、相手に応じた関わり方が選べるようになります。

今回のご質問│右腕左腕候補に仕事を任せているが思うように進みません

<今回のご質問>
自分の右腕左腕を育てたいと思っています
私が行っている仕事を任せていっていますが
思うように進みません

どうしたらよいでしょうか?

自分の右腕左腕を育てるために必要なのは、自分が今やっている仕事を渡していくことです。ところが自分の仕事を任せていくときに、なかなかうまくいかないことがあります。今回はどうしたら良いのかを考えていきましょう。

動画│2番手に仕事を任せるアプローチ法

仕事を任せるために

仕事を任せるために必要なことは、相手に渡す仕事に応じて自分のアプローチを変えることです。仕事を任せていくのにただ任せるだけではうまくいきません。なぜなら相手が任せる仕事に対しての知識・経験があるのかどうかや、意欲=やりたいかどうかによって変わってくるからです。任せたい仕事に応じて関わり方を変える必要があります。

ただ、その前に大切なのは自分の仕事を任せていく相手の関係性です。仕事を任せていく相手と自分との関係性を強めることです。関係ができていなければ、そもそも任せることが難しいのです。関係ができている人から任せられるから、やってみようとなるのです。

相手を知る

関係を作るのに大切なのは相手を知ることです。そのためにも相手の話を聞くことです。その時に必要なのは「日常会話」です。日常会話とは仕事と関係ない話をすることです。例えば最近プライベートで感心のあることや趣味、好きな食べ物等です。

この一見仕事とは全く関係のないことを聞くことが人間関係づくりでは大切です。人は自分のことを知ろう=理解しようとしている人に対して良い印象を持ち、心を開きます。自分のことを理解しようとしていない人に対しては、心を閉ざすし壁を作るのです。自分の仕事を任せていく相手のことをどれだけ知っているでしょうか?

観る・認める

次に自分の仕事を任せる相手をよく観て認めることです。
自分の仕事を任せていく相手は身近な存在です。身近な存在ほどできていないこと、不足に目がいきます。知らないうちにダメ出しや否定をしていることがあるのです。

人はダメ出しや否定だけではうまくいきません。自分では早く育てたいと思っていろいろ伝えることが、相手にとってはダメ出し否定になっていることがあるのです。ダメ出しと否定しかしない人とは、どうしても距離を置きたくなるのです。

自分の仕事を任せていく相手の良い点や頑張っている点を伝えるようにしましょう。不足を指摘することも大切です。それ以上にできている点を伝えることが必要です。自分を認めてくれる人に対して、一緒にやっていこうという想いになるのです。

相手の考える力を強くする

そして、仕事を任せる相手の考える力を強くすることです。そのために質問をする、振り返らせることです。考える力が強くないと受身、依存になるからです。自分で考えて行動する=自律型に促していくことです。この取り組みをしたうえで、仕事を任せていくことになります。

仕事を任せるアプローチ法

仕事を任せる際には何を任せるのかを決めます。決めたならば、任せる相手がその仕事に対して「知識・経験」があるのかどうかをみます。そして任せる仕事に対しての「意欲」があるのかどうかを見ます。

この知識・経験の縦軸と意欲の横軸で、今回任せようとしている仕事がどこになるのかをみます。すると4パターンにわかれます。

①知識・経験もあり意欲もある。

②知識・経験はないが意欲がある。

③知識・経験はあるが意欲がない。

④知識・経験はなく意欲もない。

今回任せるのがどのパターンなのかを見てください。それぞれのパターンに応じて、自分のアプローチを変えていきます。

①知識・経験もあり意欲もある

相手に今回任せる仕事が①知識・経験もあり意欲もあるならば、任せる型のアプローチをします。任せて報告を受けるようにします。相手は知識・経験があって意欲もあるのですから、任せることで自分で考えて行動します。このパターンの時に細かく指示し確認をこまめにしたならば、相手の意欲は薄れて言われたことだけをやるようになってしまうのです。

②知識・経験はないが意欲がある

相手に今回任せる仕事が②知識・経験はないが意欲がある場合は、質問型のアプローチをします。意欲があるので質問して考えさせることで、自分で調べたり相談してきて自発的に考えてやるようになるのです。

③知識・経験はあるが意欲がない

相手に今回任せる仕事が③知識・経験はあるが意欲がない場合は、一緒にやっていくことです。意欲が無い仕事を任せてしまうと後回しにします。自分が一緒にやることによって、そんなに難しい仕事ではない、やりがいのある仕事であること感じさせることです。

④知識・経験はなく意欲もない

相手に今回任せる仕事が④知識・経験はなく意欲もない場合は、細かく指示してこまめに確認します。そうでないとやらないからです。

このように相手に任せる仕事は、相手の状況に応じてアプローチを変えていくことです。自身のアプローチを変えながら、最終的には任せる仕事に対して相手が知識・経験もあり、意欲もある状態にすることです。どこか一つのアプローチでやっていくとうまくいかないのです。

また知識・経験がなく意欲もない仕事も、実際にやってみたら自分に合っていたとか楽しくなり、いきなり任せる型になることもあります。仕事を任せていくときにはこの4パターンで考えてみてください。

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落合嘉寛

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G.S.ブレインズコンサルティング株式会社 マネージャー

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