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2025.09.02

どのように算定するの?2以上の用途・構造の建物の耐用年数

どのように算定するの?2以上の用途・構造の建物の耐用年数
建物の減価償却に欠かせない耐用年数は、「用途」と「構造」に応じて定められています。
通常であれば、事務所用の鉄筋コンクリート造なら50年といった具合に、1棟の建物に1つの耐用年数を適用します。しかし、実際の建物は必ずしも単純ではありません。劇場と事務所を併せ持つ場合や、鉄筋コンクリート造に木造を増築した場合など、複数の用途や構造が混在することがあります。では、こうした建物では耐用年数をどのように決めればよいのでしょうか。本文では、具体的な事例をもとに、その考え方をわかりやすく整理しています。

建物の耐用年数は「用途」「構造」に着目

建物の減価償却に用いられる耐用年数は、耐用年数表に記載されている「用途」と「構造」の別で、年数が定められています。例えば、その建物が「鉄筋コンクリート造」「事務所用」ならば50年と、1棟の建物につき、1つの耐用年数を適用するのが原則です。

用途 事務所用・店舗用・住宅用など
構造 木造・鉄筋コンクリート造など

では、建物が次のような場合には、どのように耐用年数を判断するのでしょうか。

・2以上の「用途」に供されている場合
・2以上の「構造」からなる場合

2以上の「用途」に供する建物

1棟の建物が2以上の「用途」に使用されている場合、使用状況(用途別の面積や使用頻度の割合)を見て判断します。ただし、特別な内部造作をしている場合には、各々の「用途」に区分した耐用年数を用います。

<例1>鉄筋コンクリート造の建物

地上6F 劇場(特別な内部造作)
地上1~5F
地下1~2F
貸事務所
駐車場・ビル用電気室等

このビルの主たる用途は、床面積で見ると「貸事務所」ですので、補助的な機能の部分(駐車場、電気室等)を含めて、「鉄筋コンクリート造」「事務所用」の50年を適用します。ただし、6F部分(劇場)は、特別な造作をしているので、「飲食用、貸席用、劇場用等(その他)」の41年を適用します。

2以上の「構造」からなる建物

建物の「構造」は、主要部分(主要柱など)で判断します。ただし、1棟の建物が2以上の「構造」により構成されている場合、①「構造」別に区分することができ、②社会通念上、別の建物とみなされるものは、「構造」の別に区分して耐用年数を適用します。

<例2>既存建物に増築した場合(事務所)

地上4F(新) 木造(後から屋上に増築)
地上1~3F 鉄筋コンクリート造

この例の4Fは、「別の建物」とみなされます。1~3F部分は「鉄筋コンクリート造」の50年、4Fは「木造」の24年となります。

<例3>高層ビル(賃貸住宅用)

地上3~15F
地下1F~地上2F
金属造(4mm超)
鉄筋コンクリート造(基礎を兼ねている)

この例は、「別の建物」とみなす事情がない限り、ビル全体を「金属造(4mm超)」の34年を適用することになります。

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