経営に役立つコラム

Column

2025.12.08

賃上げ時代の補助金戦略│経産省支援策を正確に活かす

賃上げ時代の補助金戦略 経産省支援策を正確に活かす
最低賃金が大きく引き上げられ、「賃上げと経営をどう両立するか」を考える企業が増えています。負担だけが増えるように見えますが、国の制度を知ることで打ち手が広がる場面もあります。
このコラムでは、経産省の支援策を軸に、賃上げと投資を同時に進められる補助金制度や特例のポイントを整理しています。持続化補助金やものづくり補助金など、活用しやすい制度を例に、賃上げ特例の概要と、自社が対象になるかを確認する流れをまとめました。
補助金を「申請」で終わらせず、経営に組み込む視点が成果につながります。支援窓口への相談を一つの手がかりとして、ご自身の状況に合う活用方法を考えるきっかけにしていただければと思います。

過去最大の最賃引上げと中小企業の現実

2025年の最低賃金は、全国加重平均で過去最大の66円引上げとなりました。急激な人件費上昇に直面する中小企業を支援するため、経済産業省は価格転嫁、補助金・税制支援、生産性向上策の三本柱で対策を展開しています。特に「改正下請法」では、一方的な価格設定や手形払いを禁止し、賃上げ原資の確保を後押しします。経営者は交渉力に加え、取引適正化に関する情報収集力を高めることが求められます。

持続化補助金で賃上げと販路開拓を実現

小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所の伴走支援を受けながら販路開拓に取り組む制度です。通常の補助上限は50万円ですが、賃上げ特例を活用すれば150万円が上乗せされ、最大200万円(補助率2/3)まで拡充されます。経営計画を策定し、一定以上の賃上げを行うことが条件です。よろず支援拠点などの専門窓口を通じて、事業計画のブラッシュアップを図るとともに、補助金活用を企業成長の一手として位置付けることが重要です。

設備投資補助金特例と加点措置のポイント

「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「省力化投資補助金」では、最低賃金引上げ特例が要件緩和され、補助率が1/2から2/3に引き上げられました。指定する一定期間(R5.10~R6.9)に、改定後の地域別最賃未満で3か月以上雇用していた従業員が全体の30%以上いる場合、特例の対象となります。

さらに、全国目安で示された最低賃金引上げ額(63円)以上の賃上げを実施した企業には、採択審査で加点措置が行われます。具体的な数値を念頭に置いた賃上げ戦略が、採択率向上の鍵を握ります。

厚労省との連携による実務支援の充実

経済産業省と厚生労働省は、支援策の周知を共同で進めています。全国47か所の労働局・働き方改革推進支援センター、321か所の労働基準監督署、および47か所のよろず支援拠点で、相互に制度案内を実施中です。補助金や助成金、税制支援を組み合わせて活用すれば、単なる賃上げ対応を超えた経営体質強化につながります。

まずは自社の賃金水準と要件の適合を確認し、最寄りの支援窓口に相談することが第一歩です。補助金は申請技術ではなく、経営戦略の一部として使いこなす時代に入りました。

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