経営に役立つコラム

Column

2025.09.05

【中小企業白書を読み解く】共通価値への実践

【中小企業白書を読み解く】共通価値への実践
経営を続けるうえで必ず向き合わなければならない課題が広がっています。
脱炭素化への対応、循環型社会への移行、サプライチェーンや情報リスクへの備え、人権尊重の取り組み。どれも一見すると大企業の課題のように思えますが、今や中小企業にとっても取引の継続や信頼の確保に直結する重要な要素です。令和6年度の中小企業白書は、こうした動きを調査結果から浮き彫りにしており、経営を取り巻く変化を読み解く手がかりとなります。

脱炭素化対応は今や必須

令和6年度の調査では、製造業や運輸業、卸売業などを中心に、取引先から脱炭素化に関する協力要請を受けた企業の割合が高まっていることが示されています。これは企業規模や業種にかかわらず、CO2排出量の把握や削減計画の提示など、具体的な対応が求められている現状を反映しています。排出量可視化ツールの導入や、自治体等が提供する支援制度の活用を進め、環境配慮型経営へ舵を切ることが急務です。

循環型社会への移行準備

サーキュラーエコノミーについては、中規模企業の方が認知度・取組率ともに小規模事業者を上回っています。しかし、調査結果からは依然として多くの事業者が「概念を知らない・分からない」と回答しており、情報不足が明らかです。再利用可能資材の選定、廃棄物の再資源化といった取り組みの一歩を踏み出すには、まず「理解」が不可欠です。業界団体のセミナーや専門家の支援を受け、経営方針に循環性を組み込む体制整備が望まれます。特に製造業・小売業では、調達や販売の現場レベルでの見直しが求められます。

【参考】
成長志向の資源循環経済システム「サーキュラーエコノミー」(前編)どんな課題を解決するの?│経済産業省 資源エネルギー庁

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/circular_economy_01.html

経済安全保障への構えも必要

国際情勢の変動を背景に、サプライチェーンの強靭化やサイバーセキュリティ対策の強化など、経済安全保障に関わる要請が増加しています。これまで直接関係が薄かった業種でも、突然の規制変更や海外調達リスクに直面する可能性がある以上、「備え」が重要です。中小企業としては、取引先の要請を受ける前に、自社の技術情報管理やBCP策定など、基本的なリスクマネジメント体制を見直しておくべきでしょう。

人権尊重は企業信用の礎

人権方針の策定率は未だ低く、特に小規模事業者では対応が遅れているのが実情です。しかし、経済産業省の「責任あるサプライチェーンガイドライン」が示すとおり、人権デューデリジェンスの実施は、企業の信頼性向上や調達選定の条件にもなり得ます。特に輸出入を伴う事業や大手との取引がある場合、取引継続の可否に直結することもあり得ます。中小企業であっても、自社の立場に応じた基本方針の整備と社員への周知を始めましょう。

【参考】
「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料」を公表しました│経済産業省

https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230404002/20230404002.html

経営のお役立ち情報を配信中!

G.S.ブレインズグループでは、皆様の経営に役立つ情報を定期的に配信しております。
最新情報は登録無料のメールマガジンでお知らせいたします。

免責事項について
当記事の掲載内容に関しては、細心の注意を払っておりますが、その情報の正確性・完全性・最新性を保証するものではございません。
また、ご覧いただいている方に対して法的アドバイスを提供するものではありません。
法改正等により記事投稿時点とは異なる法施行状況になっている場合がございます。法令または公的機関による情報等をご参照のうえ、ご自身の判断と責任のもとにご利用ください。
当社は予告なしに当社ウェブサイトに掲載されている情報を変更・削除等を行う場合があります。
掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
G.S.ブレインズ税理士法人

お役立ち情報を発信していきます

G.S.ブレインズ税理士法人

お気軽にお問い合わせ・
ご相談ください

無料相談 経営のお悩みなど、まずはお気軽にご相談ください。
弊社スタッフがお客様の状況に最適なサービスをご提供いたします。

03-6417-9627

営業時間 9:30〜17:30(土日祝を除く)

HPを見てお電話した旨をお伝えください

くろじになる