経営に役立つコラム

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2025.02.17

タワーマンションの空室税?

タワーマンションの空室税?
自治体ごとに異なる課題に対応するため、新たな税制の導入が進められています。
京都市は観光客の増加による負担軽減を目的に宿泊税の見直しを進め、神戸市では空き住戸が増加するタワーマンションへの課税を検討。どちらも地域に適した税制として期待されていますが、実際の運用には慎重な検討が求められます。これらの税制がどのように進められているのか、その動向を押さえておきましょう。

自治体は税を新設できる

地方税法に定めのある税目以外の地方税を「法定外税」と言い、目的税であるものを「法定外目的税」と言います。
地方自治体は条例によりこの法定外税を設定することができますが、新設・変更しようとする場合は、あらかじめ総務大臣と協議し、その同意を得なければなりません。

京都市はオーバーツーリズム対策に

京都市は2025年3月から、宿泊税の最高額を現行の1人当たり1泊千円から10倍の1万円とし、税額の区分は5段階に細分化することを目指しています。

背景として、コロナ禍が明けて京都の観光人気が再燃、観光客が一部エリアへと集中し、ゴミやマナー問題、交通機関の混雑などのオーバーツーリズムが深刻化していることが挙げられています。市長は宿泊税収を活用して、持続可能な観光とまちづくりを進めたいとしています。

神戸市は空室税を検討中

神戸市では、タワーマンションの空室所持者に対して「空室税」を課すことを検討しています。

特にタワーマンションについては投機目的で所持するケースもあり、住民でない区分所有者が決議を行う総会を欠席し、意思確認の連絡も難しい状況が散見されます。こうなると老朽化したタワマンの膨らむ修繕積立金や管理費を負担できず廃墟化が進む恐れがあります。空室所有者への課税は、その税収をマンション管理の専門家派遣や、防災防犯の整備費用に充てる目論見です。

どの程度まで課税が許されるのか

法定外税は、

①国税または他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく過重となること

②地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること

③国の経済施策に照らして適当ではないこと

この3つに該当しなければ、総務大臣は同意を与えなければならないこととされています。

空室税については、固定資産税との二重課税問題を指摘する向きもありますが、すでに熱海市では「別荘等所有税」という似たような法定外税が運用されています。

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