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2025.10.16

【教育資金一括贈与の非課税】30歳で管理契約が終了した場合

【教育資金一括贈与の非課税】30歳で管理契約が終了した場合
教育資金の一括贈与制度は、子や孫の教育費をまとめて贈与できる便利な仕組みです。信託銀行などと契約を結び、領収書の提出を通じて教育資金を払い出す流れですが、この契約は原則として30歳で終了します。
では、教育費として使い切れなかった残額がある場合、そのお金はどうなるのでしょうか。令和5年改正後の取り扱いを踏まえ、事例をもとに残額への課税の考え方を見ていきます。

教育資金管理契約が30歳で終了した場合

「教育資金の一括贈与の非課税制度」をご存じでしょうか。親や祖父母が子や孫に対して、将来かかる教育資金を先に一括で渡しておきたいというときに、1,500万円までの金額が、贈与税の非課税となる制度です。手続きの流れは、次のとおりです。

①信託銀行などの金融機関と教育資金管理契約を締結する。その契約に基づいて金融機関に1,500万円までの資金を預け入れる(あわせて非課税申告書を、金融機関を通じて税務署に提出する)。

②子や孫は、教育に関わる支出の領収書を金融機関に提出し、資金を受け取る。

この契約は、原則として、子や孫が30歳に達した時に終了します。もし、親や祖父母が生きているうちに、契約が終了した場合には、どのようになるのでしょうか。

使い切れなかった金額に贈与税課税

まず、子や孫は、契約が終了した時に、金融機関に未提出であった領収書を契約が終了した月の翌月末日までに提出しなければなりません。そして、非課税の拠出額から教育資金支出額を控除した残額があるときには、その残額について贈与税が課されます(基礎控除110万円以下である場合には、課税はありません)。

残額には「一般税率」適用(令和5年改正)

この場合に適用される税率は、令和5年の税制改正により「一般税率」を適用することとなりました。ただし、令和5年4月以後の贈与から適用されるため、時期などにより少し複雑になります。国税庁Q&Aでは、次のような事例が示されています。

事例

年月事実
R3.4祖父から1,000万円取得(特例適用)
R5.7祖父から500万円追加(特例適用)
R5.10教育資金900万円支出
R6.2教育資金管理契約終了

この場合、孫の一般税率の対象となる金額(一般贈与財産)と特例税率の対象となる金額(特例贈与財産)は次のように計算されます。

①残額 1,500万円-900万円=600万円

②一般贈与財産(一般税率を適用)
 ①×500万円/1,500万円=200万円

③特例贈与財産(特例税率を適用)
 ①-②=400万円(差額)

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