経営に役立つコラム

Column

2025.07.08

海外留学と年金

海外留学と年金
一口に「海外留学」と言っても、会社の命令によるものか、自主的な決断によるものかによって、年金制度の取扱いは大きく異なります。
会社の制度で渡航する場合は、雇用関係が続いているため厚生年金の継続が可能な一方、自主留学の場合は原則として資格喪失となり、国民年金への任意加入が必要になります。こうした差を正しく理解しておかないと、海外での生活中や将来の年金受給時に思わぬ支障が出る可能性も。制度は複雑に見えても、基本の違いを押さえるだけで判断がしやすくなります。

会社命令か自主留学か

社会人になってからの海外留学は企業に所属したまま会社の命令で海外留学するか、企業には所属せず休職等をして自主的に留学するかということになりますが、日本国内の厚生年金保険適用事業所では雇用関係が継続したまま海外で勤務する場合、会社からの給与の一部又は全部が支払われていれば原則厚生年金保険は継続します。

一方自己都合で休職を申し出、海外留学する場合、会社への労務提供もなく、給与の支払いもないので使用関係から離れ海外に移住していることになります。その場合、日本の厚生年金保険の資格は喪失します。

社会保障協定で加入期間の調整

国籍に関係なく、日本に住所がある方は、日本の国民年金に加入します。日本以外でもその国に住所を持つ人はその国の社会保険に加入義務がある国が多いのです。しかし日本の会社に在籍しながら海外赴任した人は、日本と海外の年金制度に二重に加入し保険料も二重に負担することになります。

これを避けるため多くの国は社会保障協定を締結しています。
これはいずれか一方の国の年金制度に加入していればもう一方の年金制度には加入しなくともよいとする制度です。

また、日本や海外の年金を受け取るには一定期間の加入要件があるためその国で負担した年金保険料が受給につながらないこともあります。このような事態を避けるために、両国の年金制度の加入期間の通算で加入期間要件を満たしやすくするということも協定に含まれていることが多いのです。

自主休職の留学は国保任意加入をしておく

自己都合による休職であれば普通、厚生年金保険は資格喪失しますので国民年金の任意加入が可能です。海外在住期間に任意加入して保険料を納めておけば、死亡時や病気やけがで障害の残った時などは給付があります。任意加入しないとその期間は未納期間として加入期間には算入できません。

留学に限らず海外移住の際は将来の年金がどうなるのかを調べて制度に加入しておきましょう。

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