経営に役立つコラム

Column

2026.02.03

【中小企業成長加速化補助金】1次公募の結果を受けて

【中小企業成長加速化補助金】1次公募の結果を受けて
中小企業成長加速化補助金の1次公募の結果が発表されました。採択倍率約6.0倍という非常に狭き門となった今回の結果から、単なる「投資への意気込み」だけでは届かない厳しい現実が見えてきました。
実際に選ばれた企業には、共通する「成長の数字」や「経営の可視化」といった特徴があります。なぜこれほど高いハードルとなったのか、そして審査員は企業のどこを見て「合格」の判を押したのか。1次公募のデータから浮かび上がった、採択を勝ち取る企業に共通する実力とその背景を整理しました。

採択倍率6倍、その先に求められる実力

中小企業成長加速化補助金の1次公募には、全国から1,270件の申請があり、採択されたのは211件。採択倍率は約6.0倍で、決して形式的な申請や意気込みだけでは突破できない水準です。採択企業の平均売上高成長率は26.4%、付加価値額増加率は27.5%と、いずれも高い数値を記録しており、すでに成長を遂げている企業が、さらに投資で加速する構造が見て取れます。

ローカルベンチマークで評価された力

審査においては、申請書の定量面だけでなく、「ローカルベンチマーク(ロカベン)」を通じた経営の可視化も活用されました。採択企業のロカベン得点は平均21.6点で、財務面の健全性だけでなく、非財務項目も含めた「総合的な経営力」が見られていることが分かります。問題がない企業ではなく、課題に向き合い、成長戦略を描ける企業が選ばれているという実態があります。

審査員が見ているのは「戦略の中の補助金」

公式資料に掲載された審査員の感想では、「社長自身の言葉で熱意と具体性をもって語られたビジョンが非常に印象的だった」「補助金頼みではなく、戦略の中に自然に組み込まれていた」との声が挙げられています。つまり、補助金の有無で事業の実施可否が決まるような“補助金ありき”の申請は敬遠される傾向にあります。むしろ「補助金は成長戦略の加速装置である」と位置づけ、社長自身がその計画をブレずに語れるかどうかが、プレゼン審査での重要な評価軸となっています。

採択に近づくための実務的視点

次の公募に向けては、自社の過去~現在~未来の成長ストーリーを、定量・定性の両面から一貫して語れるかが鍵になります。とくに、ロカベンなどで既に自社の経営力を可視化している場合、それを申請書の構成に自然に組み込むことで、審査側との対話が成立しやすくなります。

また、単発の投資ではなく「賃上げを含む持続的な成長のエコシステム」が描かれていることが、資料の審査基準上でも重視されています。申請書とプレゼンの整合性、社長の語りの説得力、そして補助金がなくても成長するという覚悟。それらが一体となった企業こそ、採択に最も近づくと言えるでしょう。

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