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2025.12.17

在職老齢年金制度の支給停止額の見直し

在職老齢年金制度の支給停止額の見直し
70歳未満で厚生年金の適用事業所に勤めながら年金を受給する場合、在職老齢年金の調整が行われます。特に老齢厚生年金は、毎月の賃金や賞与の状況によって支給停止が生じることがあります。
令和7年度の支給停止額の計算方法や、加給年金・高年齢雇用継続給付がある場合の扱いなど、実務上つまずきやすい点を制度の枠組みに沿って整理します。

働きながら老齢年金を受ける在職老齢年金

厚生年金保険が適用される会社で勤務する70歳未満の方は年金受給者でも厚生年金に加入します。この場合老齢基礎年金は全額支給されますが、老齢厚生年金は一部または全額が支給停止されることがあります。以前は65歳未満の方と65歳以上の方の在職老齢年金では異なる仕組みで支給停止額が計算されていました。令和4年4月から両方同じ仕組みで計算されるようになりました。

令和7年度の支給停止額の計算方法

老齢厚生年金の年額の12分の1の「基本月額」を算出し、毎月の賃金(標準報酬月額の1年分)の合計額と賞与の1年分の合計額を足し、12分の1で除し「総報酬月額相当額」を出し、年金の「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計が51万円以下であれば年金は全額支給されます。51万円を超えるときは1か月当たり下記の金額が支給停止されます。

「基本月額」+「総報酬月額相当額」-51万円×1/2

今後の支給停止基準の額の変更

厚生年金が支給停止となる基準額を、令和8年度から、月額62万円に引き上げることが予定されています。

その他の支給停止の場合

1.加給年金が加算されている場合

老齢厚生年金に加給年金額が加算されている場合、加給年金は除いて在職老齢年金を計算します。老齢厚生年金が全額支給停止される場合には加給年金額も全額支給停止になります。

2.70歳以降の支給停止

70歳以降も厚生年金保険の適用事業所に勤務している方は厚生年金加入中の方と同様に在職老齢年金の仕組みによる支給停止となります。

3.高年齢雇用継続給付による支給停止

雇用保険の加入期間が5年以上である60歳から65歳未満の加入者に対して賃金額が60歳時の75%未満となった方に最高で賃金月額の10%に相当する額が支給されるものです。高年齢雇用継続給付を受けると標準報酬月額の4%が支給停止されます。

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