経営に役立つコラム

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2025.03.18

中小企業のリース会計と法人税

中小企業のリース会計と法人税
企業が設備投資を行う際、リースを活用するケースは少なくありません。しかし、リース取引の会計処理は企業の規模によって異なり、上場企業と中小企業では対応が分かれています。
上場企業は新たな会計基準のもとで資産計上が求められる一方、中小企業は従来の処理方法を維持できます。この違いは法人税の計算にも影響を及ぼします。
令和7年度税制改正の内容を踏まえ、リース会計と法人税の関係について整理しておきましょう。

リースとは所有せずに使用する契約

リースは他人から特定の資産を一定期間、リース料を支払って使用する契約をいいます。契約期間にわたり支払を分散させることができます。

ファイナンス・リースは中途解約できない代わりにリース資産を使用して経済的利益を受けることができ、リース期間終了までリース料を支払うもの、オペレーティング・リースはファイナンス・リース以外のリースをいいます。

上場会社等のリース会計は売買処理に統一

上場会社等のリース取引に適用される会計基準は、ファイナンス・リースはリース資産を売買があったものとして資産として計上します(売買処理)。

オペレーティング・リースはこれまで賃貸借として扱っていましたが、新リース会計基準の適用により資産計上(売買処理)となりました。

中小企業のリース会計は賃貸借処理のまま

中小企業のリース会計は、中小企業向けの会計ルール(中小企業会計指針、中小企業会計要領)によることができ、ファイナンス・リース、オペレーティング・リースともに賃貸借処理が適用できます。新リース会計基準は強制適用されず、従来どおり賃貸借処理が継続できます。

上場会社等の法人税の扱い

上場会社等がファイナンス・リースを受けた場合の法人税の扱いは、少額リース、短期リースを除き、売買処理が適用されます。このうち所有権移転外リースについては資産計上額をリース期間にわたり月数按分で減価償却します。

一方、オペレーティング・リースを受けた場合は賃貸借処理が適用されます。会計では元本部分と利息部分を分けて処理するので法人税の処理と一致しなくなり、申告調整が必要となります。

中小企業の法人税は賃貸借処理のまま

中小企業のファイナンス・リースに係る法人税の扱いは賃貸借処理が適用され、賃借料として損金経理した場合はリース資産の償却費とみなして損金に算入されます。

また、オペレーティング・リースに係る法人税は、新リース会計基準の導入後も賃貸借処理が継続されます。令和7年度税制改正大綱では、オペレーティング・リースで法人が支払うリース料について「債務の確定した部分の金額は、その確定した日の属する事業年度に損金算入する」と記載されており、この文言から従来の賃貸借処理のままとなると解されます。

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