経営に役立つコラム

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2025.04.23

所得の必要経費にできる費用

所得の必要経費にできる費用
「これは経費にできるのでは?」と、申告後に気づく支出が出てくることは意外と多いもの。申告期限から5年以内であれば、必要書類と理由を添えて更正請求をすることで税金を取り戻す可能性もあります。
ただし、そこで問われるのが、その費用が本当に業務のためのものであったかどうか。業務との明確な関連性や証拠がなければ、請求は認められません。申告時と違い、経費としての妥当性を納税者が説明する必要があるため、領収書の整理だけでなく、支出目的の記録が重要です。小さな備えが、いざというとき大きな安心につながります。

確定申告が終わり、ほっとしたところで経費の計上漏れに気づいたとき、申告期限から5年以内であれば納めすぎた税金を取り戻すことができますが、その経費が必要経費となるかがあらためて問われます。

業務に関連する費用であること

個人事業主が事業所得、不動産所得、雑所得等の所得金額の計算において必要経費を算入する場合、その経費は事業との関連があり、業務遂行上必要であること、必要な部分を明らかに区分できることが求められます。

個人の趣味や生活にかかるものは必要経費になりません。事業所得、不動産所得、雑所得等の経費と生活費が混在する家事上の経費の場合は、主たる部分(概ね50%超)が業務遂行上必要であることが求められます。なお、経費部分が50%以下であっても必要な部分を明確に区分できるものは必要経費にできます。

申告納税制度のもとでの税額確定

申告納税制度のもとでは、納税者が自ら所得を申告することで税額が確定します。事業主は経費が業務遂行上、必要であるとする、その部分の論拠を備えておきます。

税務署は納税者の申告した経費の区分に疑義が生じたときは税務調査を行い、必要経費と認めないときは、納税者に所得と納付税額を直すよう求めることができます。言い換えれば、税務署は納税者の申告内容に生じた疑義を立証しなければ必要経費として認めたことになります。

経費計上漏れの説明責任は納税者が負う

一方、納税者が自ら行った申告に経費の計上漏れがあったときは立場が逆転します。納税者は納めすぎの税金を取り戻すため、更正の請求をして税務署に申告漏れの経費を請求するに至った事情、その経費の業務遂行上の必要性を説明します。その際、その理由の基礎となる事実を示すため、更正請求書に領収書等の証明書類を添付することが求められます。税務署は納税者の請求内容を調査し、請求を認めることができない場合、更正すべき理由がない旨を通知します。納税者は処分に不服があるときは、税務署長に再調査の請求または国税不服審判所長に審査請求を行います。

申告するときと税金を取り戻すときとでは立証責任の立場が変わりますが、経費については日頃から業務との関連性、業務遂行上の必要性を意識して経理処理しておくことが備えになります。

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