経営に役立つコラム

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2026.01.22

都市と地方の偏りを正す 地方税体系の構築

都市と地方の偏りを正す 地方税体系の構築
企業の多くが東京に本社を構えることで、都市と地方の税収格差は広がり続けています。現状のシステムでは、地方が努力して税収を増やしても国からの交付金が減らされる一方で、東京は潤沢な資金を自由に使えるという歪みが生じています。こうした状況を正すべく、令和8年度の税制改正大綱では法人事業税のあり方を見直す方針が示されました。私たちの暮らしやビジネスの基盤となる「地方税」は、今後どのように形を変えていくのでしょうか。都市と地方が共生するための、偏りの少ない税体系構築に向けた動きに注目します。

広がる行政サービスの地域間格差

都市と地方の間で拡大する税収の偏在と財政力格差は、行政サービスの地域間格差を顕在化させています。東京都は潤沢な財政で所得水準にかかわらず、18歳以下の子に1人あたり月5,000円の補助金支給、私立高校の授業料無償化、第1子から保育料無償化など、他道府県の水準を超えるサービスが提供されています。

総務省「地方税制のあり方に関する検討会」は令和7年11月、次の報告をしました。

1.東京一極集中が格差の原因

①本社機能と人材・投資・税収の集中

東京都には資本金1億円超の法人の本社機能が集中し、本社支援産業も集積します。本社機能の強化は地方の人材を呼び寄せ、都市整備のための投資により地価は上昇、一極集中は加速して税収を増加させます。

②地方税の構造

財政需要を税収で賄えない地方公共団体は、国が標準的な財政需要を定めて不足額を地方交付税として支給します。地方税の税収が増加しても財源調整機能が働き、地方交付税はその分、減額されてしまいます。

一方、東京都は税収が潤沢にあり、財源超過額を自前の行政サービスで自由に使えます。財政需要に充当する1人当たり財源額も他道府県より低くて済んでいます。

2.偏在性の小さい地方税体系の構築

企業行動の最適化によって経済社会構造は変化し、今後、行政サービスの地域間格差は、ますます広がることが想定されます。一方、地方は都市に住む人の食料生産を担い、エネルギーや若い人材を供給しています。東京の一極集中と地方の衰退が同時進行しないよう地方活力の維持・向上、偏在性の小さい地方税体系の構築が必要です。

次年度税制改正の対応

総務省の検討会報告を踏まえ、令和8年度税制改正大綱では、偏在性の小さい地方税体系の構築に向け、新たに法人事業税の資本割を特別法人事業税・譲与税の対象とすること、所得割・収入割に対する特別法人事業税・譲与税の割合を高めることなどの検討を示しました。

また、固定資産税は東京都特別区に税収が著しく偏在している状況に鑑み、課税の仕組み、東京都と特別区の事務配分の特例について都区財政調整制度への影響を踏まえて必要な措置を検討するとしています。令和9年度以降の税制改正で結論を得ます。

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