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2025.09.12

還付金と未納税額との充当申請(国税通則法第57条)

還付金と未納税額との充当申請(国税通則法第57条)
法人税や消費税、所得税など、複数の税目を申告する際、還付と納付が同時に発生することは珍しくありません。そのとき「資金繰りの観点から、還付金を納税に充てたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
未納の税金があるときは還付金を自動的に充てることが定められていますが、実際の処理は税務署の手続きに左右される面もあります。もしスムーズに充当されなければ、納付が遅れてしまうリスクも否めません。
申告と同時にできる「充当申出」という仕組みを知っておくことで、安心して資金計画を立てられる可能性があります。

片方が還付で他方が納付の場合の納税方法

法人の確定申告では法人税と消費税の申告書をほぼ同じ(=延長特例申請の有無による)法定申告期限までに提出します。個人の場合は所得税の申告期限が3月15日で消費税が3月31日です。税金の納付は法定申告期限までに行わなければならないことになっています。法定申告期限=法定納期限です。

一方の税金が還付で、他方の税金が納付となる場合、還付となる方の申告書をできるだけ早く提出し税金の還付を待ち、納税がある方の申告を期限ぎりぎりまで待って、還付金が入ってきてそれを納税に充てるということを、資金繰りの観点から考える場合もあります。ただし、この場合、還付の手続きは税務署内の事務手続き次第なので、日程の予測ができません。

還付金と未納税額の充当(強制規定)

事項を定めた国税通則法に、「その還付を受けるべき者につき納付すべきこととなっている国税があるときは、還付に代えて、還付金等をその国税に充当しなければならない」という規定があります。この場合、充当されるべき国税は、「充当適状」、すなわち、「納付すべき税額が確定し、法定納期限が到来する等」となっていなければなりません。還付と納税の2つの申告書を法定納期限の時機で提出すれば、充当適状となって、充当分の納税額は納付しなくとも、法律的には、納付されたこととなるはずです。

還付金と未納税金の充当申出手続き

しかしながら、税務署内の還付手続きが充当の規定を失念して進んでしまえば、未納税額が発生してしまうこともあり得ます。

そうした懸念を払拭し、確実に充当してもらいたい場合には、申告書の提出と同時に、国税充当申出書を提出します。この申出書に所定の形式はありませんが、充当してほしい旨の申出書を書面で税務署長宛に送ることで、申出の日を充当適状日として充当されることになります。
充当が行われると、充当をした旨の通知書が税務署長から納付すべき者宛に通知されます。この通知書は、強制規定で充当された場合と申出で充当された場合のいずれであっても、国税通則法の規定で税務署等から通知がなされることになっています。

納付時期の資金繰りに懸念がある場合、充当申出をしてみてはいかがでしょうか?

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