経営に役立つコラム

Column

2019.07.16

「正しいマネジメント」を学ばずして企業成長は絶対にない!【その1】

前回お伝えした「リーダーシップとマネジメント」そして、規模対応は、企業成長の壁を破るためには絶対的に必要な理論であり、スキルであると私は確信しています。

わたしが独立・起業した理由

社員5人以下の「規模1」クラス(オーナー期)の会社がその後もずっと同じ規模で事業を続けていこうと考えているならば、社長一人の腕力が尽き果てるまで収益を上げ続けることは可能かもしれません。しかし、社員が5人から9人、10人と少しずつ増えていった結果、「規模2」クラス(15人以下)の会社にステップアップしてくると、そうはいきません。社長一人の剛腕で事業を続けていくことは不可能になり、チームリーダーや課長や店長といった役職を作ることが必須になります。ところが、当の社長さんたちはそれでもまだ自分の腕力の限界を認めようとせず、本当の意味での権限移譲ができずに実質的なワンマン運営を続けているケースがゴマンとあります。

このクラス、すなわち5人超・15人以下の会社を私たちは「組織化入口期」と呼んでいますが、実際には社長一人で全体を見続けることは無理なのです。必ずどこかに歪みやほころびが生まれ、そこから会社の落ち込みが始まります。

私は、若い頃に大手の会計事務所で働いていたのですが、このクラスの転落と悲劇を税理士として数多く見てきました。こうした中小企業の悲劇を目の当たりにして「会社は絶対に倒産してはいけない。倒産しないためには成長し続けることだ」と強く思い、その思いを実現するために独立してG.S.ブレインズ税理士法人をつくり、やがて成長支援コンサルティング株式会社という経営のお手伝いをする専門会社をつくったのです。

正しいマネジメント知識がないと5人超の会社は運営できない

エラそうなことを書いていますが、私たちの税理士法人およびコンサルティング会社も、人数が増えていくにつれ、運営が難しくなっていきました。当初、事業のメインである税務の仕事を拡大していくことには自信があり、実際、10人、20人、30人とスタッフを増やしながら法人としての売上と利益は右肩上がりに増えていきました。この急速な拡大に私が有頂天になっていたら、成長支援グループはすでにこの世に存在していなかったかもしれません。

スタッフが増えていくに従って必要性を実感するようになったのが、「正しいマネジメント」の知識と理論およびノウハウでした。20人か30人になるまで私はそのことに気づきませんでした。なにしろ、それまでの私は、税理士という専門家集団の経験しかなく、「リーダーシップ」とか「マネジメント」、あるいは「経営理念」とか「人材育成」といったことには無頓着で、きちんと勉強した経験もありませんでした。

「これでは組織を維持できない。これ以上の成長は無理だし、維持するのも難しくなる」そう強く感じた私は、俄かに勉強を始めました。毎晩毎晩、何冊の本を読んだことでしょうか。経営セミナーやビジネススクールなどの勉強機会も貪欲に参加するなど、プライベートタイムはほとんどこの勉強に充てました。勉強したことは自分自身で掘り下げて考え、成長支援グループの組織的な改革につなげていきました。採用方針を変え、賃金制度や働く環境改善を実行しました。その間には経営幹部・マネージャー(管理職)たちと正面から向き合い、議論もしました。マネジメント研修も行いました。中小企業経営のお手伝いをする会社のトップや経営幹部やマネジャーが「リーダーシップとは何か」「マネジメントと何か、何をしなければならないか」といったことについてロジカルに話せないというのは、致命的な欠陥です。

またお客様である経営者の皆様にアドバイスしたり、改善・改革を提案しているスタッフの会社がそれとは全く異なる情けない運営をしているとしたら、お客様である社長さんたちはどう思うでしょうか。よく考えれば、自分自身ことを含めきわめて当然のこと、やらなければならないことを実行したにすぎません。すべての業種に当てはまることですが、「組織化入口期」以降の会社は、トップおよびマネジャークラスのマネジメント学習が必須だと確信をもって申し上げたいと思います。

当時の私が受講者としてセミナー等に参加し、自社で実践し、失敗を繰り返し結果として、「成長の三要素経営」として理論化し、実践し、お客様企業と一緒に取り組んできた経験からはっきりわかったことがあります。そのほか、皆さんにお伝えしたいことはまだまだ山ほどあります。次回は本稿のつづきを書きたいと思います。

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近藤浩三

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近藤浩三

G.S.ブレインズグループ代表 税理士

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