2022.07.04
【追徴課税3億円?!】不動産購入による節税対策は慎重に
相続税対策として、タワーマンションをはじめとした不動産の購入を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?…
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Column
2022.09.27
外貨建ての資産を所有した方の相続が発生した場合の財産評価は一定のルールにより外貨建ての金額を円に換算する必要が生じます。
外貨建て財産や国外にある財産について、円に換算する方法は財産評価基本通達に定められておりますが、以下のようになります。
為替レートについては各金融機関が公開していますが、好きなレート(低いレート)を選んでよいわけではありません。外貨預金など特定の金融機関との取引であれば、その取引を行っている金融機関が公開している為替レートによります。
一方、現金(外貨)や国外不動産など、特定の金融機関との取引ではない財産については相続人が取引している金融機関の内、任意の金融機関の為替レートにより換算します。相続人が取引している金融機関には被相続人が取引していた金融機関の預金等を相続した場合の、その金融機関を含みます。
(外貨預金、外貨建有価証券、外貨建保険)
⇒取引していた金融機関の為替レート
(現金、海外不動産)
⇒相続人の取引金融機関(被相続人から相続した預貯金等の取引金融機関を含む)から任意に選択した金融機関の為替レート
換算する時期は「課税時期における最終の為替レート」とされておりますので相続の場合には、被相続人が亡くなった日の最終レートとなります。
(仮に亡くなった日が土日祝日の場合はその亡くなる前の最も近い日となります)
預金や有価証券など、プラスの財産を換算する場合の為替レートは「対顧客直物電信買相場又はこれに準ずる相場」、いわゆる「TTB」とされています。為替レートにはTTS、TTB、TTM(仲値)という3つのレートが存在しますが、債務などマイナスの財産の換算にはTTS(対顧客直物電信売相場)を用います。
相続税法上、上述したとおり換算については亡くなられた日の為替レートとなります。
円高の際に拠出した金額が高く評価されることになり、相続財産は大きい金額で評価され、相続税もその分高くなります。更に亡くなられた後に円に換算した時に相続時より円安になっているとその分納税資金に余裕が生まれます。逆に、亡くなれた時点より円高になっていると納税資金の観点からは注意が必要となります。
相続対策の点からは、例えば生命保険の非課税枠(法定相続人の人数×500万円)を活用して相続税を節税する手法がありますが、外貨建て保険の場合で見てみますと、500万円を1ドル140円で支出した場合には35,714ドルとなります。運用益抜きにした実際の保険請求時に1ドル100円だとした場合、140万ほど目減りしてしまっています。相続税の非課税枠も満額使用できず、財産も目減りする結果となる可能性もあります。
また、自社株式をお持ちの経営者の方は業種によってはかなりの打撃を受け、赤字に転落する会社も少なくないかもしれません。赤字になった際に株価が減少するのであれば、積極的に事業承継含めた相続対策も可能となります。
所得税の点からは、円高のときに購入していた外国不動産の現金化を検討する人も出てくると思います。その場合に注意が必要なのが、外貨建取引での譲渡所得の計算です。
取引時点での為替相場で円換算した金額で総収入金額、取得費、譲渡費用を計算すること、つまり為替差損益を含めて譲渡益を計算する決まりになっているからです。
すなわち、外貨で現金化して円に換えないでそのまま外貨のまま持ち続けていても同様の計算になります。たとえば、1ドル=100円のときに100万ドル(1億円)で買っていた外国不動産を1ドル=140円の際、100万ドル(1億4,000万円)で現金化した場合、代金以外の取得費用や譲渡費用の加減算を除けば、ざっと差益は4,000万円になるわけです。購入額と売却額が外貨ベースで同額だからと安心していると課税漏れになってしまいますので注意が必要です。
また、国外財産調書制度についても年末時点における国外財産が5,000万円を超える場合には、財産内容を記載した調書を税務署に提出する必要が出てきますが、円安による換算で今まで提出不要でも提出しなければならない可能性も出てまいります。
現在のように為替相場が急激に円安に進んでいる場合には、外貨建て財産や国外財産を所有されている方は財産内容のチェックはされた方がよいと思います。
その上で財産内容が変化する場合には、改めて相続税シミュレーションや相続対策などを検討していくことをお勧め致します。
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