経営に役立つコラム

Column

2020.09.01

コロナ禍における相続・承継

今年の3月以降、新型コロナウィルス感染症が猛威を振るい、高齢者にとって「死」の存在が現実的に身近に感じられるようになってしまいました。経済も一部業種は好調ですが日本国内のみならず世界全体の経済が落ち込んでおります。相続関連にはどのような影響が出ているのでしょうか。

令和2年度路線価発表!

今年も7月に相続税や贈与税の土地の算定基準となる路線価が発表されました。

全国平均は5年連続上昇でインバウンドの増加や都市部の再開発が地価上昇を牽引した結果となりましたが、新型コロナウィルスの影響は加味されておりませんでした!

路線価は年初が基準となり、算出されます。時期的に上昇影響だけが残った結果となっております。今後、路線価と実勢値との乖離が出る状況も予想されます。

そのため、国税庁は9月頃に予定されている都道府県地価調査の状況などから、路線価の減額を検討しております。(不動産鑑定士による評価などにより、時価が路線価を下回る場合には時価による評価で申告は可能となりますが、鑑定には費用がかかってしまいます。)

過去には震災などの際にも路線価に調整率を乗じることにより最大40%減少となる調整率が定められました。

上記の路線価は相続税評価額にも影響を及ぼしますが、納税資金のために売却を検討されている方の納税資金の工面にも影響が出ることが予想されますのでより注視していく必要がございます。

自社株評価(事業承継)

新型コロナウィルス感染症の影響により、経済が大打撃を受け赤字企業も多くなることが予想されます。そのような状況下で事業承継を進めていくことに不安を持たれる経営者の方もいらっしゃると思います。

本質的には事業承継は単なる「株式の承継」ではなく「経営の承継」ですが、財産面での「株式の承継」はついて回ってきます。

不況下においての承継メリットとしては、赤字による純資産の減少により自社株評価が減少するため、早めに移転をすることが可能となります。

また、赤字による純資産価額の減少に加えて、評価手法の一つである類似業種比準方式で使用する国税庁が発表する「類似業種比準価額」についても下がります。現在、6月まで発表されておりますが3月・4月ではほとんどの業種の株価は下がっており、より株価が下がる可能性もございます。

会社規模に応じて影響額は異なりますが、改めて株価を捉えて計画の策定・変更を考えるのがよいでしょう。

最後に、相続対策として以前より言われておりますが遺言書についても新たに作成する方が増えてくると思われますし、生前贈与についても考えられる方が増えてくるのではないでしょうか。

このような状況下でありますが、改めてご自身やご家族のこと、自社のことを考えられることが出来たと前向きに捉えて行くことも重要だと思います。

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力石雄司

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力石雄司

G.S.ブレインズ税理士法人 税務会計コンサルティング部 部長
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