経営に役立つコラム

Column

2026.04.10

人としての成長

人としての成長
仕事は誰よりもできるのに、なぜか周りから距離を置かれてしまう――。現場では決して珍しくない悩みです。
飲食店のようにチームで動く職場では、一人の力だけでは十分な成果は生まれません。だからこそ大切なのは、仕事力と同じくらい「一緒に働きたい」と思われる存在であるかどうかです。
職場で自然と人が集まる人には、特別な才能ではなく、日々の言葉や表情、さりげない行動の積み重ねがあります。能力だけでは埋まらないその違いはどこにあるのか。人としての成長という視点から、関わり方を見つめ直していきます。

今回のご質問│仕事がとてもできる部下がいるのですが、周りのスタッフに距離を置かれています

<今回のご質問>
仕事がとてもできる部下がいます。
ただ、周りのスタッフ、特にパート・アルバイトさんから
距離をおかれています。

どうしたらよいでしょうか?

飲食店では、複数の人が働いています。一人では仕事はできません。皆で協力して行うことで、はじめて成果がでます。そのためには周りを巻き込んでいくことが必要です。

周りのスタッフから距離をおかれてしまうと、なかなか仕事での成果がでません。仕事ができるのに周りから距離をおかれてしまっている。それはなぜかを考えていきましょう。

動画│ 人としての成長

飲食店舗

飲食店は皆お店で仕事をします。そしてコミュニケーションをしながら仕事をしなければいけません。自分が話しかけやすい人とも、話し掛けにくいとも、顔を合わせてコミュニケーションをとらなければ仕事にならないのです。

それだけ、飲食店では人間関係づくりが大切になるのです。一緒に働く仲間から「一緒に働きたい」「一緒にいいお店をつくりたい」「一緒にお客様に喜ばれるお店、働きやすいお店にしたい」と思われる人になることが大切です。

では、今回の質問のように仕事がとてもできるのに周りのスタッフが距離を置かれるのはなぜでしょうか?

仕事ができるだけでは人はついてきません。周りから距離を置かれる原因は「人としての関わり方」にあり、改善するには「人(の心)が集まる言動を増やすこと」が必要です。

人としての成長

仕事をするうえで、皆が成長し続けることが大切です。入ったばかりの人は、飲食経験がある人以外は仕事に対する知識経験がありません。仕事を知らないし、知らないからできません。

だから、仕事のやり方を教わり=知識を得て、実際に自分で行って=経験して一つひとつできることを増やしていきます。できなかったことができるようになるということは成長です。

一通りの仕事ができるようになったら、次は仕事を教えるようになります。最初は教えられる仕事が一つもなかったのに一つひとつ教えられるようになっていくことも成長です。

一通りの仕事ができ、一通り仕事を教えられるようになったならば、さらに成長するためには目標を持つことです。目標を持つことで目指すべきところが明確になり、向かっていくことで成長し続けるのです。ただ、ここまでだと仕事ができるという話です。

仕事ができることはとても大切です。いろいろな仕事ができる。仕事に対しての知識経験が誰よりも豊富。仕事をやらせたら誰よりも早い、そして丁寧。何でも教えることができる。

そのうえで大切なのは、周りの人たちが一緒に働きたい人になっているかどうかです。一緒に働く人がついてこないと巻込めないのです。一緒に働く人を巻込めないとお客様に喜んでいただけるお店にならないのです。また、働いている人たちが働きやすい店舗にならないのです。

では、周りがついてくる一緒に働きたい人になるには、どうしたらよいのでしょうか?そこに必要なのは、人として成長し続けることです。

人としての成長というと難しく考えがちですが、自分が周り=働く仲間にたいしての言葉・行動・態度表情を改めて振りかえることです。どのような言葉・行動・態度表情をしているのか、周りが一緒に働きたいと思われる言葉・行動・態度表情に変化=成長することが大切なのです。

人として成長しつづけるために

人として成長し続けるためにはどうしたらよいでしょうか?私が飲食企業様の人間関係づくりの研修をする際に次の事を考えてもらっています。

それは、
①あなたがお店で働くうえで働きやすい人(一緒に働きたい人)はどんな人ですか?

②あなたがお店で働くうえで働きにくい人(一緒に働きたくない人)はどんな人ですか?

この質問に対して答えてもらうと、皆答えは一緒になります。

人(の心)が集まる与える言葉・行動・態度表情例

働きやすい人・一緒に働きたい人が「人(の心)が集まる与える言葉・行動・態度・表情例」にある項目です。

◇感謝の言葉をかける ◇自分から挨拶をする ◇笑顔 ◇スピードある報告連絡相談 ◇率先して動く ◇目を見て会話をする ◇すぐにやる ◇ほめる・認める ◇素直に行動する ◇質問する・理解する ◇人にお願いして自分も動く ◇どうしたらできるかの提案する ◇相手のフォローをする ◇明るく元気 ◇相手を勇気づける励ます言葉を使う ◇返事をしっかりとする ◇お客様・働く仲間のことを考えた言動をする ◇人の意見をしっかりと聞く・受け止める ◇相手の良い点をみつけて伝える ◇素直 ◇正直等です。

人(の心)が離れる求める言葉・行動・態度表情例

反対に働きにくい人・一緒に働きたくない人が「人(の心)が離れる求める言葉・行動・態度表情例」にある項目です。

◆感謝の言葉が無い ◆挨拶があるまで待つ ◆無表情(真顔)=話し掛けられない ◆報告連絡相談がない ◆言い訳が多い ◆自分は何もしない ◆周りを見ない⇒気づかない ◆先送り後回し ◆陰口・悪口 ◆自分中心 ◆意見を押し付ける ◆イライラしている ◆否定と批判ばかり ◆ルールを守らない・ルールを変える ◆指示待ち ◆できない理由を伝える ◆そっけない・無視 ◆自分のことしか考えない言動 ◆丸投げ ◆人任せ ◆受け止めない「でも、だけど」が多い ◆してもらったことに当たり前と思う ◆嘘・ごまかしをする等です。

「人(の心)が集まる与える言葉・行動・態度表情例」を増やす

人として成長するには「人(の心)が集まる与える言葉・行動・態度表情例」を増やせば良いのです。

ここでの注意点は、働きにくい人・一緒に働きたくない人が「人(の心)が離れる求める言葉・行動・態度表情例」にある項目を無くそうとしないことです。無くそうと思ってもなくならないのです。なぜなら自分では人(の心)が離れる言葉・行動・態度表情をしていることに気づかないことが多いからです。

例えば、自分では周りから話し掛けやすい態度をとっていると思っても、周りが話し掛けにくいと思っていたら話し掛けにくいのです。判断するのは周りだからです。人が離れる言葉・行動・態度表情を無くそうとするのではなく、人(の心)が集まる与える言葉・行動・態度表情を増やしていくことです。増えれば自然と人の(心)が離れる言葉・行動・態度表情は無くなっていくのです。

この時にどうしたら良いかというと、

①人(の心)が集まる「与える言葉・行動・態度表情」で、自分ができていること全てに「〇」つけてください。

②「〇」がつかなったことから、自分がこれから意識することを1つ選びます。
「1つ」に絞ることが大切です。人(の心)が集まる「与える言葉・行動・態度表情」は心に余裕があるとき、落ち着いているときよりも、心に余裕が無いときや忙しい時にできていることが大切だからです。心に余裕が無いいっぱいいっぱいの時に2つも3つも意識することはなかなかできません。一つに絞って確実にできるようにすることです。

③そして、②で選んだことが忙しくても意識することができるようになったら、次に意識することを選びます。

このようにして、一つひとつ変えていくことが人として成長していくことです。今回の質問の場合、その部下本人にこの内容を伝え、一緒に「1つ取り組むこと」を決めてみてください。

お店で働くうえで一緒に働きたい人になること=人として成長することに取り組んでいくことが大切なのです。人として成長し続ける人のところに、人は集まるのです。

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落合嘉寛

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G.S.ブレインズコンサルティング株式会社 マネージャー

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