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鈴木 優
G.S.ブレインズコンサルティング株式会社 マネージャー
東京都千代田区有楽町、日比谷、銀座の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
会社が成長していけるノウハウをご提供するG.S.ブレインズコンサルティング株式会社
Column
2021.02.18
書籍名:「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考
著者名:末永 幸歩氏
著者である「末永 幸歩」氏は美術の教師として中学・高校の教壇に立たれている方です。
まず皆さま、タンポポを想像してみてください。私自身もタンポポと言われると黄色いお花や綿毛のイメージを想像します。ただそのタンポポはほんの一部にしか過ぎず、タンポポの根本には種があり、その種から無数の根が生えています。
本書ではアートの世界において、花の部分を「表現の花」、種のことを「興味のタネ」、根のことを「探求の根」と呼んでおります。また「探求の根」はアートが生み出されるまでの長い探求の過程を示していると書かれております。
アートの世界ではどんなに上手く絵が描けたとしてもそれはあくまでも「花」の話であり、「根」がなければすぐに萎れてしまいます。アーティストとは、「興味のタネ」を自分の中に見つけ、「探求の根」をじっくりと伸ばし、あるときに独自の「表現の花」を咲かせる人であると書かれております。またその種や根がなく「花だけ」を作る人たちを「花職人」と言っております。
先程からアートについてばかり何を言っているんだと思われるかもしれませんが、このことはアートの世界のことだけではないのではないかと私は読んでいて深く感じました。
私たちは日々経営について、管理職の方であれば部下を育成することについて、チームづくりをすることについて等、答えのないものに答えを見出し、日々仕事を進めているかと思います。その中で、何か目に見える「答え(花)」だけを追いかけていて、探求する部分を途中で諦めていないか、自分の内側にある興味の種を放置しているのかもしれません。
私も各企業での研修を進めていると「部下が絶対に辞めない方法を教えてください」「新入社員が必ず育つ指導方法を教えてください」とご質問頂くことがあります。私たちも具体的な取り組み方はお伝えしますが、果たしてそのやり方が全員に合うかというとそうではないと考えます。
一人ひとりに感情があり、一人ひとり違うからこそ部下を育てることは難しいと思います。私たちからお伝えすることは一つのやり方として、それ以外にも著書で書かれているように探求し続け自分なりの考えをもって行動することが、成果に結び付けていくときに大切なのではないかと感じております。
著書内では美術と正反対にあるのが数学であると書かれております。数学は「1+1=2」というように明確で唯一の答えが存在します。またその正解を見つける能力を養うことです。一方で美術とは、答えがなく「自分なりの答えを作る能力」を育むことが大切になってくると著書内では書かれております。
私たちのお伝えしている内容に「目的思考」というものがあります。「なぜ」「どうして」「具体的には」と物事を掘り下げて考える力のことです。この考える力が弱い人は何をやっても取り組みが浅くなってしまったり、受け身の体制になりがちです。本書を読んで改めて感じたのは、様々な情報がありふれている世の中で何かを検索すればすぐ「答え」が出てきます。仕事において答えを出さなければいけないことも多くあると思います。
その一方で自分なりに「なぜ」「どうして」と何度も何度も考え続け、自分なりの答えを作り行動する。その行動をまた何度も何度も考え直し行動を改善する。そのような「自分なりの答えを作る能力」を養うことが今の世の中においても、また人生の様々な局面でも求められてくるのではないでしょうか。
本書内では他にも20世紀に生まれた6つのアート作品から様々なことが紹介されております。アート思考の方法の知識ではなく、自分なりに答えを作りだす過程を考える1冊となっております。改めて自分自身の日々の行動や考え方を見直すこと、また部下を指導する際の参考となる1冊となれば幸いです。
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